ライオン、マーケティングコミュニケーション2013を開催

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ライオン、マーケティングコミュニケーション2013を開催

 ライオンは7月23、24日の2日間、流通向けのコミュニケーション施策「ライオンマーケティングコミュニケーション2013」を開催し、秋の新製品やリニューアル品の紹介とともに、生活研究から得られた生活者の動向や、さらなる成長を目指したマーケティング施策などについて詳細な説明を行った。

 三國正晴ヘルス&ホームケア営業本部アカウント第1営業部部長は、「停滞している国内市場を活性化すべく、2つの切り口で事業活動を進めていく。1つ目は、『新価値提案による新たな市場の創造』で、メーカーとしての原点に立ち、お客様に驚きと感動を与える商品を開発し、供給することに徹したい。2つ目は、『製配販の連携による購買行動の誘引』で、商品価値や関連情報をいろいろな場面で伝え、消費意欲を喚起し、生活にしっかり定着させ、一時的ではない本質的な需要拡大につなげる。そして、製配販3者で売上げ・利益を獲得する3者WINを実現していく」とライオンの目指す姿について説明した。

 今上期(1~6月)は、新しい価値提案による新市場創造が、柔軟剤やカビ取り剤、ハブラシ、目薬など多くのカテゴリーで見られ、市場活性化に寄与した。

 柔軟剤カテゴリーでは、「香りとデオドラントのソフラン アロマリッチ」が属する高残香タイプの伸びが顕著で、今春より新香調として「アニー」を導入したが、香りの選択肢拡大による顧客ニーズ対応で市場拡大に貢献している。

 カビ取り剤カテゴリーでは、「ルックお風呂の防カビくん煙剤」が新カテゴリーを創出し、従来のカビ取り剤とカニバリを起こさずに市場そのものが拡大した。1~5月で112%の市場拡大に貢献し、上期は6.7億円の新市場を創出している。

 ハブラシカテゴリーでは、高単価の歯垢除去ハブラシ「クリニカアドバンテージハブラシ」が他ブランド(汎用品)からのスイッチにより、歯垢除去ハブラシ市場(1~6月)の平均単価を3円アップさせ、市場活性化に貢献している。

 目薬カテゴリーでは、「スマイル40プレミアム」が年齢による眼疲労を訴求し、新市場を創出。他社の高価格帯商品とカニバリすることなく、中高年カテゴリー全体の平均単価を押し上げた。

 下期も、販売店の店舗やカテゴリーを活性化できる提案を一層強化し、価格の安定化、新製品の継続育成、タイムリーな売場づくりを実行していく。

新しい視点として暮らしの基盤である
「家族」をマーケティングテーマに設定

 続いて、ライオン生活者行動研究所の今井秀之所長が、「コレカラ家族を応援するライオンの新提案」について説明を行った。

 まず今井氏は生活者研究について、「世の中や人々の変化を先取りし、企業活動に取り入れること、即ち、変化に対応するマーケティングの実践が重要だが、変化を読み解く最前線に位置している」と、その重要性について述べた。

 同社では、2010年のマーケティングコミュニケーションより、先の見えない不安や日々の暮らしの不安を取り除くための「21世紀における幸せの方程式」、快適コンセプトを地図にした「快適曼陀羅」、快適に向かうベクトルを示した「快適Tomorrow」など、企業ビジョンである「くらしとこころの価値創造企業」に向けた生活者研究の一端を紹介してきたが、今年は、これまでの流れを踏襲しつつ、新しい視点として暮らしの基盤である「家族」をテーマに設定した。

 日本の家族は、時代の変遷とともに、「集」(三世代家族)から「個」(核家族)へと変化してきたが、近年は経済の低迷やパンデミックの猛威、自然の脅威など多くの経験によって再び、「集」を求めるようになってきているという。しかし、「集」のあり方は昔とは変化しており、同社では、変化する家族の形を研究することこそが商品開発のヒントになると考え、研究を推進していった。

 具体的には、変化する家族の形を捉えることが必要と考え、2010年に全国の18歳~69歳までの約8000名を対象とした調査を実施。ライフステージやライフスタイルに次ぐ、第3の視点として「ホームスタイル」という概念を見出した。そして、新たな視点に基づき分析したところ、家族は11のグループへと分類された。

 その中でも同社は、人口ボリュームゾーンの50代~60代が「手間ひまライフ」「つかず離れず夫婦」「自立&自律」というグループに大別できること、実家で親と同居し、家事や生活の多くを親に頼る人たちが属するグループ「パラサイト(親依存)」が2割近い構成比で最大ボリュームを形成していることに着目した。

 「生涯結婚しない人の割合は、2010年時点で男性20.1%、女性10.6%だが、2030年には男性の3人に1人、女性の4人に1人が生涯独身となる。今後、親に依存するパラサイトの構成比はさらに高まるだろう。また、ますます増加するシニア層における『丁寧に暮らしたい』『老後を楽しみたい』『簡素に暮らしたい』といった様々なニーズをホームスタイル視点で研究することは、新しいニーズや市場の創造の先取りにつながると考えている」(同社)

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