ファンケル池森会長、次の事業を生み出す社員になってほしい

週刊粧業 2016年4月11日号 9ページ

2016年4月14日 10:00

週刊粧業通販化粧品メーカー

カンタンに言うと

　当社は女性が活躍しやすい企業として、全国7 社に選ばれ、昨年12 月に「女性が輝く先進企業」内閣府特命担当大臣賞をいただきました。産休からの復帰率は100％で、ほとんどが産休前の部署で仕事を続けられています。今回の入社も女性が多いですね。今後、活躍してほしいと願っています。

　当社の創業理念は「正義感を持って世の中の『不』を解消しよう」です。

　「正義感」という言葉が創業理念にあるのは珍しいと思います。

　では、具体的に何をしてきたのか。まず添加物を入れない「無添加化粧品」です。

　36年前、世の中では「化粧品公害」が大きな社会問題でした。原因である「添加物」を取り除いたアンプル容器の「無添加化粧品」で世の中をアッと言わせて、ヘビーユーザーを得ました。

　その次がサプリメント事業です。事業を始めた1994年当時は、ファストフードの隆盛などで、栄養状態の悪化が顕在化していました。一方で、健康食品はマイナーでイメージも非常に悪いものでした。これを払しょくするため、私が日本で初めて、「サプリメント」という言葉を使い、価格破壊を展開。皆様が買いやすくしました。当社は「サプリメントの生みの親」といえると思います。

　今力を入れているのは「予防医療事業」です。少子高齢化で国民の医療費は増え続けており、税収と同じ約40兆円規模にまで膨らんでいます。

　ではどうすればいいのか。「病人をつくらないこと」です。平均寿命と健康寿命の差は約10年離れています。一方で、人手不足の時代であり社員の健康に力を入れる企業が増えています。世の中に何が起きているのかを考え、社会問題の解消に果敢にチャレンジしていきたいと思います。

　ファンケルはベンチャー企業です。私は世の中を変える側に回り、「真似をしない美学」を心がけてきました。皆さんには「これからの日本はどうなるのか」「どんなところに世の中の『不』が発生するのか」「どんな人助けができるのか」というような大きな視点で物事を捉えて、次の事業を生み出し、将来のファンケルを背負って立つ社員になってほしいと思います。ファンケルを選んでくれて、本当にありがとう。