ライオン、デイサービス施設に通う高齢者向けの体操を開発

粧業日報 2022年2月4日号 5ページ

ライオン、デイサービス施設に通う高齢者向けの体操を開発
 ライオンは、東京大学医学部附属病院 22世紀医療センター 運動器疼痛メディカルリサーチ&マネジメント講座の松平浩特任教授、トランクソリューションと共同で、口腔機能、睡眠機能、運動器機能を「同時に」トレーニングする新しい体操「健口眠体操(けんこうみんたいそう)」を開発した。

 人が活動するためには、骨や筋肉などの運動器だけではなく、脳で目や耳などからの様々な情報を処理して行動の指令を出す「認知機能」がうまく働くことが重要といわれる。同体操は、「認知機能の改善には、脳の複数の領域を同時に使うトレーニングが効果的である」という知見をもとに開発された。

 デイサービス施設に通う高齢者を対象に同体操をトライアル実施した結果、口腔機能、睡眠機能(自律神経)、運動器機能を効率的にトレーニングできることが示唆された。

 引き続き同体操の効果検証を継続するとともに、オーラルフレイルのケアから全身健康の改善を目指した研究を展開し、より良い習慣で人々の毎日に貢献していく。

 現在、全国で約1600万人の高齢者が運動器機能や認知機能の低下、口腔機能の低下による嚥下障害など、日常生活に様々な課題を抱えている。また、厚生労働省による令和3年度介護報酬改定の通知では、高齢者の自立支援・重度化防止のためには運動器のリハビリテーション・機能訓練のみならず、口腔、栄養へも一体的に取り組むことを推奨しており、高齢者向けのトレーニングには口腔機能も含めたトレーニングが求められている。

 これに対して同社は、「認知機能の改善には、脳の複数の領域を同時に使うトレーニングが効果的である」という知見をもとに、口腔、睡眠、運動器の3つの機能を「同時に」トレーニングすることで、デイサービス施設に通う高齢者の全身健康の増進を目指そうと考えた。

 開発にあたっては、同社が保有する口腔機能や睡眠機能に関する知見と、東京大学医学部附属病院 22世紀医療センターの松平特任教授による運動器の機能改善に関わる知見を組み合わせ、共同研究を行った。

 トライアルでは、口腔・睡眠・運動器の3つの機能を同時に改善する運動(口を動かしながら手足の筋力を鍛える運動、睡眠(自律神経の調整)を意識した動きをしながら筋力を鍛える運動など)を意識し、高齢者が安全に実施しやすい、座って行うトレーニングのみを選定。思わず体を動かしたくなるような明るい音楽も付与することにより、5分間で21種類の運動を実施できることがわかった。
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