第26回 業界各社の売上原価・販売費及び一般管理費について

 初めまして。公認会計士の吉野緑と申します。今回より、新日本有限責任監査法人のコラムを担当させて頂くことになりました。どうぞ宜しくお願い致します。

 今回は、直近の有価証券報告書を用いて、各社の財務分析を行いたいと思います。今回焦点を当てるのは、各社の損益計算書です。中でも、「売上高」「売上原価」「販売費及び一般管理費(以下、販管費)」の数値を用いて、業界各社の「売上原価率」及び「販管費率」の状況を見てみたいと思います。

 今回対象としたのは、資生堂、コーセー、ポーラ・オルビスHD、花王、ライオン、ユニ・チャームの6社です。各社の状況は図表の通りとなっています。(図表1)

新日本図26.jpg

 資生堂、コーセー、ポーラ・オルビスHDは、売上原価率が販管費率より低く、花王、ライオン、ユニ・チャームは、売上原価率は40%~50%代と前の3社と比較して高く、販管費率とほぼ同じ水準、あるいは販管費率を上回っています。

 これらの要因を考えるにあたり、そもそも売上原価と販管費にはどんなものが含まれるかをご説明したいと思います。売上原価とは、商品や製品を作るのに直接かかった費用であり、化粧品メーカーのような製造業であれば、製造原価、すなわち原材料費や製造部門関係の労務費、経費などが含まれます。

 一方販管費とは、会社の販売及び一般管理業務に関して発生した費用であり、例えば販売手数料、運搬費、広告宣伝費、販売及び一般管理部門の従業員の給与及び手当、経費など様々な費用から構成されています。

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田中計士

新日本有限責任監査法人 シニアマネージャー

2000年、監査法人太田昭和センチュリー(現新日本有限責任監査法人)に入所後、化粧品、食品、宝飾品などの消費者製品メーカーを中心とした監査業務に従事。その他、株式公開支援業務、内部統制アドバイザリー、デューデリジェンス、経理財務専門誌への寄稿等、幅広い業務を行う。

http://www.shinnihon.or.jp/corporate-accounting/industries/basic/cosmetics-and-toiletries/

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