激変するコスメマーケット
2014.10.30
ここ数年、雨後の筍のごとく増えた通販化粧品への新規参入も、ようやくひと段落した。既存の販売ルートがなくても参入が可能なだけに、他業種大手から小さなメーカーまで、実に多種多様な分野からの参入があり、通販化粧品は今や飽和状態だ。マーケットは本格的な成熟期に突入し、「本物」だけが生き残るサバイバル時代が始まりつつある。
そんな中、せっかく立ち上げたブランドが伸び悩み、業績低迷に苦しむ声を聞く機会が増えてきたように思う。
活気あふれる勝ち組の通販化粧品業界に参入したのに......。低迷に悩むブランドの多くがそう感じているだろう。パワーと勢いに満ちた立ち上げ作業が終わり、製品が完成して世に出した瞬間、「やりきった!」という満足感を味わったものの、デビュー後の低迷は思いがけないことで、驚き落胆しているという話はとても多い。
伸び悩んでいるという化粧品を実際に試用してみると、中身は決して悪くない。パッケージデザインもきちんとしており、製品としては何ら問題がない。ではいったい何が悪いのか。いくつかの企業の例を見て、共通の問題点があることに気づいた。
伸び悩みの原因は、製品そのものに問題があるわけではなく、「商品を売る体制」ができていないことだ。
製品が出来上がったことで満足してしまい、売るための戦略ができていない。「既存の販売ルートはいらない」とは言っても、通販化粧品ならば、「通販」という販売方法と、「化粧品」の販売という二つの課題をクリアする必要がある。
まず、2つの「商売」のセオリーに沿った販売戦略を立案し、その上で自社のオリジナリティーや参入目的に応じた条件をプラスした戦略を実施していくべきだと思う。
つまり製品開発やブランドの立ち上げは「ゴール」ではなく、スタートラインに立つための準備が整ったということなのである。
多数のブランドが林立する今の化粧品業界は、製品力さえあれば売れるほど甘くはない。製品力と販促力はビジネスの両輪で、どちらか一方でも欠ければ成功しない。
開発した製品をどう売っていくのか、明確な販売のビジョンを持ちそれを実行していくパワーがなければ、すでに始まっているサバイバル時代を勝ち残ることはできないと思う。
「新規顧客開発」から「ロイヤル顧客育成」までのフローがしっかり実行できる勝ち組の通販化粧品会社になるためには、商品開発、販促企画、顧客分析、フルフィルメントなど、重要なビジネスポイントで確実に実績をあげなければならない。
それらがすべて連携し、きちんと回るようになって初めて、新ブランド立ち上げプロジェクトは軌道に乗ったといえる。
付け加えるなら、このプロジェクトに「完了」はない。時代とともに変わっていくお客様のニーズを的確にとらえて、製品・サービスともにブラッシュアップを続けていかなければならない。
ブランド立ち上げに満足してしまうことなく、ぜひ「進化」を続けていってほしいと思う。それが成功への道だと思う。
1982年㈱フォー・レディーを設立。大手メーカーの業態開発や通販MD企画のほか販促物制作などを手がける。これまでかかわった企業は50社余。女性ターゲットに徹する強いポリシーで、コンセプトづくりから具体的なクリエイティブ作業を行っている。特に通販ではブランディングをあわせて表現する手腕に定評がある。日本通信販売協会など講演実績多数。
(株)通販総研 化粧品専門コンサルタント
(株)フォー・レディー代表取締役
株式会社NOVARCA 「中国トレンドExpress」編集長
琉球ボーテ(株) 代表取締役
日本サステナブル化粧品振興機構 代表理事
女性潮流研究所 所長 / 商品企画コンサルタント
美容専門PR・販促支援会社 (株)DSプロモーション 代表取締役
TPCマーケティングリサーチ(株)マーケティングマネージャー
(株)矢野経済研究所主席研究員
(株)矢野経済研究所主席研究員
株式会社アイスタイル 取締役 CQO / コーポレート領域管掌
株式会社ES-ROOTS代表取締役社長、一般社団法人エステティックグランプリ元理事長
(株)ヴィーナスプロジェクト代表取締役社長
中国女性市場専門調査会社 (株)ブルームス代表取締役
中国女性市場専門調査会社 (株)ブルームス代表取締役
フルブルーム国際商標事務所 所長弁理士
週刊粧業 顧問(週刊粧業 流通ジャーナル 前会長)
新日本有限責任監査法人 公認会計士から見た化粧品・トイレタリー業界
新日本有限責任監査法人 シニアマネージャー
新日本有限責任監査法人 シニアマネージャー
(株)船井総合研究所 東京経営支援本部 部長 グループマネージャー
LAFASO JAPAN 代表取締役社長
吉田法務事務所代表、日本薬事法務学会理事長
産業能率大学総合研究所主席研究員
(株)ネオマーケティング ビューティ&ライフチーム マネージャー
(株)ホットリンク ソーシャルメディア事業本部 コンサルティング部
マーケティング/商品企画/プロモーション担当の企画業務を支援する情報が満載。Power PointのPDF版では記事フローチャートで情報整理しご提供。
毎年、週刊粧業が行う調査結果レポート総計をCD-Romにて販売。非常に利用価値が高く、化粧品業界の企業戦略には欠かせない知的コンテンツ。>
有料(1コンテンツ CD-Rom)
50,000円(税込、送料込)~
※Windows版のみ
ネットリサーチ大手、クロス・マーケティングが最新のトレンドをまとめた一般向けには公表していない自主調査レポートを無料でダウンロードできます。
全国のドラッグストア、スーパーマーケットの
ID-POSデータから市場トレンドを気軽にチェック。個数ランキング上位10商品の市場シェア(個数)とリピート率をご覧いただけます。