コロナ禍以降、お客様のニーズや商品トレンドの変化が顕在化する中、企業側でも世代交代や技術の革新なども重なって、ブランドコンセプトを見直す会社が多くなっている。まずはHPをリニューアルし、新しいブランドイメージを発信している会社が目立っている。 そんな中で少し気になるリニューアルも目に付くので、疑問を呈しておきたい。 どんな会社でも世の中のトレンドやニーズを反映したリニューアルを行うのは当然...
【週刊粧業2025年4月28日号7面にて掲載】 久々に面白い映画を見た。ヒット作品としてメディアで取り上げられているので、見た人も多いのではないか。私が行った時は、満席に近い状況だった。タイトルは「教皇選挙」(コンクラーベ)。ネタバレにならないように紹介すると、突然死した教皇様の後任を選ぶプロセスである。聖職者の世界であっても閉ざされた社会では、「こんなことも起こるんだろうなあ~」と思わせる...
【週刊粧業2025年3月31日号2面にて掲載】 店舗販売でも通販でも「お客様の声を聞く」ことは、今やマーケティング戦略の最初にすべき課題となっている。多くの企業では、アンケートやデプスインタビュー(1対1の形式で深く聞く定性調査)、モニター調査などさまざまな手法でお客様の声を集めている。通販化粧品会社でも多くの会社がお客様の「お声」を集めている。 しかし集めたお声は、単純な改善要望なら精査し...
【週刊粧業2025年3月3日号8面にて掲載】 いまや日本人の4人に1人が65歳以上のシニア層である。そして自分もその中の1人になってみると、「シニアといっても、いろいろな人がいるので、一緒にカウントされたくない!」と思ってしまう。みんながそう思っているかはわからないが、少なくとも今のシニア層は、価値観もカルチャーも全く異なる特徴を持ついくつかの世代グループに分かれている。若い世代にとっては、...
【週刊粧業2025年2月3日号2面にて掲載】 2025年がスタートしてすでに1カ月が過ぎて、アナリストの化粧品市況予測や経営者の年頭所感も出揃い、現実のビジネスも動き始めた。インバウンドが戻ってきたこともあるのか、悲観的な話題は少なかったように思う。 そんなに良いというわけではないが、「昨年並み」というのが多くの方々の見解のようだった。たぶん売上的な業績はそのような予測になるのだと思うが、私...
【激変するコスメマーケット(鯉渕登志子)】【週刊粧業2025年1月13日号4面にて掲載】 化粧品を開発する時、ターゲットとなるお客様の年齢や肌悩み、ライフスタイルや購買行動などを調査分析して、どのようなニーズにどんな方法で応えていくのかを最初に考えると思う。そのためまずは加齢のレベルや肌質&肌悩みからアプローチを考えるのが通常の進め方だ。 ところが最近、私はこの手法だけでは「難しい」...
【週刊粧業2024年12月9日号8面にて掲載】 今回は商品リニューアルの注意点を取り上げてみた。というのも新たな美容成分などの発見が最近は相次いでおり、それらを取り入れた代表商品のリニューアルが頻繁になっている気がするためだ。 代表商品のリニューアルは、事業の行く末を左右するようなこともある。もちろん一番大切なことは、商品の中身(バルクの開発)だが、それだけではなく販売促進を担当する部門でも...
【週刊粧業2024年11月4日号2面にて掲載】 このところ様々な商品の値上げが続き、家計を預かる者にとっては、買い物に行くたびにため息が出そうな日々が続いている。化粧品会社は「既存商品の値上げ」は少なく、「上位商品を出す」会社が多いようだ。新商品は機能がさらにアップして、価格も高くなり、高級化に向かっている。 特に店頭販売のハイクラスブランドは、上位商品の新発売が相次いでいる。国内市場は化粧...
【週刊粧業2024年9月23日号8面にて掲載】 最近、商品開発のスピードがとても速くなっていることは、誰もが実感していると思う。新しい美容成分が登場すると、すぐにWeb上でも大きな話題になり、お客様も知るようになる。ブームに乗り遅れたメーカーはチャンスを逸してしまうので、今や化粧品の開発も“鮮度が命”になっているようだ。 そういう状況下では、開発担当者と販売担当者との調整がすごく難しくなる。...
【週刊粧業2024年9月9日号9面にて掲載】第99回 細分化される消費者たち! 長い間アメリカでビジネスをしてきた友人が、最近のアメリカ社会は“分断”が問題だと言う。大統領選を前にした民主党と共和党の争いだけではなく、主張の異なる人々の“分断”が社会に深い影を落としており、「米国脱出」を真剣に考える若者もいるという。 では、最近の日本はどうかと考えると、いま私が大きく変化していると思うのは、...
【週刊粧業2024年7月29日号5面にて掲載】 異業種から化粧品業界への参入が相次いでいる。製薬会社や食品会社はかなり以前から参入しており、もはや化粧品企業としても「古株」の域になっているが、近年参入しているのは、さらにもっと縁遠いビジネスと思える機械メーカーや基礎産業企業、大手商社などだ。 その中でも、日本を代表するような重厚長大企業が化粧品通販ビジネスに参入した。たまたま扱っていた原料に...
【週刊粧業2024年7月8日号56面にて掲載】 オルビスの小林琢磨社長がインタビューで「通販化粧品と呼ばせない」と語っているという新聞記事を見た。社長就任後のリブランディングで「化粧品ブランドの会社」と再確認し、コロナ禍を経て「リアルの大切さに気がついた」と言う。最近中堅の通販化粧品会社の経営者様たちと話しすると、直営店に関心を持っている方が多くなった気がする。 私は化粧品販売の業態格差はそ...
“大人の社会科見学”と称した、「見学ツアー」が好評だという。ビールやお菓子など食料品から、官公庁や造幣局まで、様々な団体や企業が見学ツアーを実施している。従来のただ見て回るだけのツアーではなく、職業体験に近いものや試飲・試食・お土産が充実しているものもある。まるでテーマパークのようだ。多くの企業が無料で行っていることもあり、レジャー感覚で気軽に申し込めるのも人気の要因で、予約がとれないもの...
【週刊粧業2024年4月15日号9面にて掲載】 私は若いころから「自分は肌が丈夫だ!」と思ってきた。今考えると、肌には極めて良くない生活習慣で過ごしていたし、さらに満足なお手入れもしなかった割に、めったに肌トラブルは起こさなかった気もする。もちろん無頓着なので、少々のトラブルは気にしないという性格も影響している。 ところが最近少し油断したために、肌トラブルでつらい思いをすることになった。蚊に...
【週刊粧業2024年3月25日号5面にて掲載】 コロナ禍を経て、私が関わっている通販化粧品業界はますます競争が激化している。多くの企業が新規顧客獲得に苦戦を強いられるだけでなく、せっかく獲得した顧客さえ些細なきっかけでブランドスイッチされてしまうのが現状だ。そうならないためには、通販化粧品企業はこれまで以上に「お客様目線」を磨く必要があると思う。 商品開発でも販促企画開発でも、実際に直接お客...
【週刊粧業2024年3月4日号9面にて掲載】 弊社は42年前に「広告企画・制作会社」としてスタートしたのだが、初期の頃はアパレル通販のマーチャンダイジングとカタログ制作をメインの業務にしていた。銀座で創業したこともあり、大手化粧品会社の新規事業などをお手伝いしたご縁で、店頭販売、訪問販売、ネットワーク販売、通信販売など様々な化粧品のビジネスに関わることになった。 特に「通販化粧品」は、業種と...
【週刊粧業2024年1月22日号4面にて掲載】 これまでお客様へのインタビューの時は、必ず「化粧品を選ぶ時に重視すること」をヒアリングしてきた。自分の肌に合うか、肌悩みを解決してくれそうな商品か、クチコミの評価が高いか、価格が手ごろか、などの回答が上位に並ぶ。 しかし最近「メーカーのこだわりやコンセプトに賛同できるか」という回答が少し増えている気がする。詳しく聞いてみると、「無添加」や「品質...
【週刊粧業2023年12月11日号8面にて掲載】 この3年間私たちが経験してきたコロナ禍の中で、化粧品の消費行動はどのように変化したのか? 自分自身や身近な人々の行動、お客様調査などを通じて感じたことをまとめてみた。 まず2020年にコロナ感染が拡大し、緊急事態宣言のもとに百貨店は閉店、インバウンドの旅行者も激減、化粧品の店頭販売は大きな打撃を受けた。その間、通販化粧品業界は多少売上を伸ばし...
【週刊粧業2023年11月13日号10面にて掲載】 どこかで買い物をしたり、何らかのサービスを利用して会員登録をすると、メールマガジンが頻繁に送られてくるようになるのは、誰でも経験していると思う。仕事柄、業界やジャンルは違っても、なるべく目を通すようにしているが、忙しいときに何度も配信されてきたり、こちらの都合を無視した一方的な内容だったりすると、ついイラッとして「削除」してしまうこともある...
【週刊粧業2023年10月23日号9面にて掲載】 最近グループインタビューでお会いする50~60歳代のお客様を見ていると、数年前の同世代より若々しくきれいな人が多くなったような気がする。細かくデータを取ったわけではないが、様々なメーカーのお客様を見ているとそう感じる。またこの世代の女性たちは、仕事やボランティア、介護なども含めて何かしらの社会活動を継続している人が多くなったようだ。そのため身...
【週刊粧業2023年9月4日号4面にて掲載】 夏休みで遊びに来た親戚の女の子が「キッザニアに行ってきた」と楽しそうに話してくれた。既にご存知の方も多いと思うが、「キッザニア」は楽しみながら社会のしくみを学ぶことができる子ども向け施設。100種類を超える職種の仕事やサービスをかなりリアルに大人になった気分で疑似体験ができる。そんな中ふと「この子たちの美容教育はどうなっているのか」という疑問が湧...
【週刊粧業2023年8月21日号4面にて掲載】 資生堂とヤーマンが手掛けるエイジングケアブランド「エフェクティム」が本格的に稼働し始めた。双方の開発力が結集された美容機器と美容液が、新たに日本と中国で販売を開始するようだ。 最近、コラボレーションビジネスがいろいろなところで行われている気がする。業種やジャンルが異なる企業同士が手を組むことで、これまでにない切り口の商品が生まれたり、消費者に新...
【週刊粧業2023年7月17日号10面にて掲載】 多くの通販化粧品会社の経営者は、自社の社員に「もっとお客様の声をよく聴くように」「お客様のご意見を施策に取り入れて」などと指示していると思う。弊社にお客様調査を依頼してくる通販化粧品会社様もそのような要望をお持ちのことが多い。中には、「注文時以外に、お客様のお声やご意見を直接聞いたことがない」という会社もある。そして実際に「社員たちでインタビ...
【週刊粧業2023年6月5日号8面にて掲載】 私たち女性は青春時代から「お肌のお手入れ」について何の疑問を持たずにやってきたと思う。それは「ボーッと生きている」ことになるのではないかと反省し、改めて「私たちはなぜ毎日お肌のお手入れをするのか?」を考えてみた。もちろんスキンケアだけでなくメイクも含めたお手入れのことだ。ノンメイク派からは「メイクはお手入れとは言わない」と言われるだろうが、広く捉...
【週刊粧業2023年5月22日号11面にて掲載】 弊社は通販化粧品会社様の販促企画をサポートする会社なので、時々得意先様を対象に、セミナーを開催させていただいている。コロナ禍では控えていたが、昨年の秋から少しずつ再開している。今回はそのセミナーの中で、ミニワークショップを取り入れてみた。座学で話を聞くより受講者自ら参加するセミナーの方が面白いのではないかと考えたためだ。確かにワークショップを...
【週刊粧業2023年4月3日号4面にて掲載】 弊社はもともと通信販売の販促物制作がメインの業務だが、お客様のニーズを正確にとらえないと効果的な販促物が作れないので、創業時から積極的にお客様調査もお手伝いしてきた。特にお客様のグループインタビューは、得意先からの評価が高い。 弊社のグループインタビューは、RFM分析表に基づいて、ロイヤル客、ライト客、離脱客などの分類でグループ区分をして行うこと...
【週刊粧業2023年2月27日号18面にて掲載】 最近、若い人の間でSNSを使用したさまざまな投稿が多いが、化粧品も本来の目的と違う用途で使われている動画などの投稿が横行している。美容賢者を装って、美容オイルを洗顔料として用いたり、コンシーラーをファンデーション代わりに使ったり。そんな投稿が拡散され、試す人の解釈でさらに好き勝手に変更され、さまざまな自己流のお手入れが生まれていく。 こんな現...
【週刊粧業2023年1月23日号10面にて掲載】 ある通販化粧品会社で、トライアルセットを購入してくださったお客様の追跡調査をしたところ、商品が届いてから7日間経っても使用していないお客様が50%にも達した。 実際にお客様にインタビューをしてみても「いろいろな会社から取り寄せているので、使っていないサンプルが山のようにある」とか「旅行用にとても便利だけど、どこの会社のものかよくわからずに使っ...
【週刊粧業2022年12月12日号6面にて掲載】 久しぶりに弊社主催で、通販化粧品事業会社様向けのセミナーを開催した。コロナ禍を踏まえて人数限定で募集したが、幸い満席で実施できた。参加してくださった事業会社の皆様にはこの場を借りてお礼を申し上げたい。 今回のセミナーでは、多くの事例を紹介させていただいた。そのなかでも受講者の方々が熱心にメモを取ってくださり、アンケートでも関心が高かったのは、...
【週刊粧業2022年11月14日号10面にて掲載】 化粧品を開発する時に最初に考えるのは、「どんな人の、どんな要望に応える化粧品なのか」ということだと思う。次に要望の中身を詳しく掘り下げて、ターゲット層のお悩みや困りごと等、解決したいことを事細かく考えて、開発したい製品の原料や処方や使い方等を設計して、製品化を進めるのが通常の化粧品のモノづくり工程だと思う。 ここで一番大事なのは、「どんな人...
鯉渕登志子
(株)フォー・レディー代表取締役
1982年㈱フォー・レディーを設立。大手メーカーの業態開発や通販MD企画のほか販促物制作などを手がける。これまでかかわった企業は100社余。女性ターゲットに徹する強いポリシーで、コンセプトづくりから具体的なクリエイティブ作業を行っている。特に通販ではブランディングをあわせて表現する手腕に定評がある。日本通信販売協会など講演実績多数。
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