第24回 化粧品業界のブランディング戦略の裏側

【週刊粧業2017年8月21日号10面にて掲載】

 私は、商標登録出願の代理をするだけでなく、ブランド戦略についてもさまざまな相談に乗っています。

 今回は、主にブランド展開の観点から化粧品業界における代表的なブランディング戦略をご紹介すると共に、それを裏側で支える商標のお話などもご紹介したいと思います。

 一口にブランドと言っても、名前をつけて商標登録すればそれで終わりといったわけもなく、マーケティング活動や実績を積み重ね、ブランド価値を高めてはじめて一人前のブランドへと成長していきます。

 したがって、化粧品ベンチャーなどでは人的、資金的な資源を一つのブランドに集中させて、看板となるブランド作りに励みます。

 また、群雄割拠で競争の激しい化粧品業界では、何かエッジの効いたものでないと目立つことはできません。そこで、何らかの切り口によって一点突破を目指すことになります。ここまでであれば、商標登録としても1件~数件で済みますので費用も最小限で済みます。

 そのフェーズが終わると、新しいブランドを展開していこうという話になります。ブランド展開に方法はさまざまで、自社の売上げを作り上げてきた主ブランド「ABC」の派生形「ABC〇〇」などで攻めるか、まったくコンセプトが別のブランド「XYZ」を立ち上げるかなど、マーケティングリソースや市場の状況等勘案しながら戦略決定するわけです。

 前者と後者の判断としては、既存市場にまだ開拓の余地があるとか、主ブランドありきで自社の強みが形成されてきたのであれば前者、既存市場の開拓余地が乏しいとか、マーケティング力自体が強みであるような場合は後者になりますでしょうか。

 商標的に見ると、主ブランドから派生させていく場合にはいろいろ工夫ができます。

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髙橋 伸也

フルブルーム国際商標事務所 所長弁理士

早稲田大学政治経済学部卒業。日本でも数少ない商標専門事務所を経営。化粧品・日用品業界をはじめとした中小・ベンチャー企業の商標出願支援と外国・国際商標出願支援を得意としている。商標・ブランディングの専門家として数々のメディアに寄稿している。

http://www.fullbloom-tm.jp/

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