第74回 「男心」を誘導する女心

【週刊粧業2016年11月28日号15面にて掲載】

 NHKのTV番組で、幼いころから馴染みのある街、豊中市の社会福祉課で活躍する若い女性職員のドキュメンタリーを見て、「なるほど!」と思うことがありました。

 私が子供の頃は、幼稚園から通学を共にした友人のお庭付きの邸宅でお誕生会が催されたり、大型犬と暮らす外国人の先生にマンツーマンで英会話を習う子が多かったり、豊かな街の印象でした。

 しかし、高齢化が進む中、さまざまな理由からごみ屋敷が増え、女性のボランティアを中心に400件もの、お片付けを達成されたということに驚きました。

 そして、今度は、住宅地の真ん中にあった駐車場を持ち主からご提供いただき、そこに小さな農園を作って野菜を育てるプロジェクトを始めるということでした。

 注目すべきは、その農園づくりの主役が、地域にお住いの企業を定年退職された男性たちだということ。農業経験皆無の男性たちだけで運営されていくという企画は、自宅にこもりがちな、団塊世代の男性たちに、新しいコミュニティーに参加していただきたいという女性職員の発想からでしたが、今まで大企業で仕事一筋に勤めてきた男性たちですから、土を耕すだけで「腰が痛い」だの「大変だ」などと、ブツブツ言いながらの作業です。

 そこに、先ほどのごみ屋敷のお片付けなどでも活躍し、すでにボランティアとそこに集まる仲間が、第二の人生をイキイキと楽しく生きる糧となっている奥さん方が、様子を見にやってきました。そして、早速「あら、上手じゃない!」「すごい! すごい!」と男性たちに声をかけ始めたのです。

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中村浩子

(株)ヴィーナスプロジェクト代表取締役社長

「JJ」「VERY」等ファッション誌の編集・企画を手がけ、黒田知永子や三浦りさ子等、その時代を代表するタレントをプロデュースし、トレンドを生み出してきた。 現在まで読者モデルを1万人以上発掘しており、現在は女性消費者を取材し続けてきたノウハウを活かし、ファッション・アクセサリー・ビューティに関わる商品開発やイベントを企画、ブランドプロデュース、コンサルティングまで幅広く行っている。

http://www.venus-project.jp/pro/02.html

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