第28回 商品が持つストーリーを伝えよう!

【週刊粧業2015年8月3日号5面にて掲載】

 化粧品を通販で販売する際に重要な事として『商品が持つストーリーを伝える』というのがあります。商品にこだわりや思い入れがあると、どうしても、商品の機能的なことばかりに意識が行きがちですが、どのような経緯で商品が誕生したのかという物語は、その商品だけが持つ独自なものです。そのストーリーに共感をしてもらうことで、商品を使ってみようと感じたり、愛着を持って使い続けていくことにもつながって行きます。

 具体的には、どのようなことがきっかけで化粧品を作ろうと思ったのか? 商品が出来上がるまでに、どのような苦労があり、どのくらい時間がかかったのか? どのような点にこだわりをもって開発を行ったのかなどを伝えていきます。

 化粧品通販会社A社は、自分の子供がアトピーで悩んでいた事が化粧品を作るきっかけとなりました。様々な所に出かけては、商品を試すという事を繰り返しても、いっこうに肌が良くならない。そこで、成分などを調べていくうちに、満足するものに出会えないなら自分で作ろうと思い立ち化粧品を開発しました。

 まさに親が子に対する愛情から生み出された商品だからこそ、安心、信頼を勝ち取り、根強いファンを獲得することになったのでしょう。

 また、ある化粧品通販会社B社の社長は、お手入れをしっかりと行っているのに肌の状態が悪くなることから、肌をかまいすぎることが肌トラブルの原因であったという答えにたどり着きました。そこで、肌が本来持っている美しくなろうとする力を活かすような化粧品作りをスタートさせていきました。

 このように、自らの実体験をベースにして作られた商品は、そのストーリーを伝えることで説得力が増し、信頼へと繋がっていき、結果として、多くの根強いファンを獲得することができます。

 化粧品通販会社C社は、多くの女性が抱える加齢による肌悩みの原因を調べ、その解決のための肌のメカニズムに着目した商品作りを行いました。悩みの原因と解決にこだわって作られた商品であるからこそ、その独自の理論を徹底して伝えることで、何故その商品を使う必要があるかという点を理解してもらったことが多くの愛用者の獲得に繋がっていきました。

 商品が出来上がるまでのストーリー、悩み解決の独自の理論は、他社との差別化となり、その想いに共感するようなファンを集めることにつながって行きます。リピートに課題をお持ちの企業は、この点を今一度振り替えてみてはいかがでしょうか?
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船生千紗子

(株)通販総研 化粧品専門コンサルタント

通販に特化した広告代理店を経て、株式会社通販総研に入社。現在、化粧品通販新規参入支援、化粧品通販企業向けに新規顧客獲得、リピート顧客育成による売上アップ支援を行っています。クライアントの強みを伸ばし、着実な成長を促すことをモットーにしています。

https://www.tsuhan-soken.com/

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