【週刊粧業2021年5月24日号10面にて掲載】
お客様からの反応を気にし過ぎて、提案すべき商品を提案しないままに終わらせてませんか? 時々、コンサルティングの現場でクライアントから、お電話がかかってきたお客様に、特段求められていない商品を提案することは押し売りになるので、控えているというような話をお聞きすることがあります。
果たして、特段求められていない商品を案内することは押し売りなのでしょうか?
押し売りとは、買う意思のないお客様に無理やり売りつける行為です。お客様との会話から、潜在ニーズを引き出し、お客様にとって良いと思う商品を提案することは押し売りとは違います。
お客様自身が気づいていないニーズを引き出したり、その企業が取り扱っている商品を案内し、そこでその商品に気づいてもらうことは提案です。
逆にお客様との会話からニーズを引き出せず、商品の提案ができないというのは提案力不足ともいえます。
先日、化粧品通販会社A社に、定期解約のお電話をしました。余っているなら、お届けを延ばせますよという提案を断った後、紫外線が気になる季節になったので日やけ止め化粧品はいかがですか? という提案がありました。
私は、日やけ止めは通年を通して使っているので、必要ないと断りましたが、これから日やけ止めを買おうと考えている人にとっては丁度良いタイミングの提案になります。
通販会社B社は、商品購入時に身体や肌についてどんなことを気にしているかを確認するアンケートをとっています。そのアンケート結果をもとに、お客様に合った商品の提案を行っていきます。そのため、大変反応も良くお客様から喜ばれています。
化粧品通販会社C社は、お客様のお肌の状態に合わせた商品の組み合わせ提案を基本としています。
肌は、季節や環境、ストレスによって状態は変わるので、その時々の肌状態に合わせた適切な商品の組み合わせがあると考え、ご相談を頂いたお客様に丁寧に提案をします。
提案を受けたお客様は、詳しい説明を聞き、同じ商品を使い続けるだけではなく、その時々に合わせて組み合わせや使用量が大切と知り、もっと早く知りたかったとまで言われます。
このように見ていくと、お客様にとって必要と考えられる商品を提案することは、お客様想いな行為であり、決して押し売りとは違います。
お客様にあったより良い提案を心がけていけば、提案したときに購入に至らなくても、お客様は自分の事を気にかけて提案をしてくれたとプラスな印象をお持ちになるでしょう。
嫌われることを恐れずに、お客様を想い、積極的な提案を心がけてみませんか?