商品力に裏打ちされたクチコミで
愛用者増やし、ラインナップを拡充
――発売直後の状況はいかがでしたか。
立田 雪肌精を発売した当初は、フタの中に入る圧縮マスクを販促物として開発しました。フタの中にマスクを入れて化粧水を注ぐと、マスクが膨らんで顔の形になるというもので、フタのサイズに合わせてマスクを作るのにとても苦労しました。今でこそシートマスクはメジャーですが、その当時はシートマスクそのものが珍しく、圧縮状のシートマスクを作って商品に付属する販促活動を展開したところ大変好評で、その後、商品化しました。28年経った現在でも人気商品となっています。
発売当初は一切広告を打たず、クチコミで全て広まっていきました。化粧水の売れ筋が2000~3000円だった当時、雪肌精は5000円の高価格帯化粧水としてデビューしましたが、発売1年目はゆるやかに推移しました。発売2年目には、夏は黒くやいて秋冬は白くという当時のブームに合わせたプロモーションを組んでボディへの使用提案を行いました。雪肌精の感触はみずみずしいので、背中にも使えることを提案し、柄のついたスポンジを作って販促活動を行いました。この提案はとても評価されました。
発売3年目は、リピーター獲得に取り組み、店舗では顔型マスクを店頭POPに活用したほか、使用済みの雪肌精の空ボトルを回収してタワーをつくりお店をブルーに染めるというような、お客様の目を引く取り組みを積極的に展開しました。
この頃、まだTVCMを打ち出していませんでしたが、こうした取り組みなどがクチコミによって広まり、徐々に売上げが伸びていきました。しかし、ある程度のところまでいくと高価格帯ということもあり、売上げも落ち着いてしまいました。
そこで、次に新規のお客様を獲得するため、1992年にミニボトル(24mL・500円)の雪肌精を投入しました。通常は、200mLで5000円でしたので、お試しにはちょうどいいと考えて販売したところ、これがブレイクしました。試してみたいけれど、5000円は高いと思っていた新規のお客様を獲得することができました。
その後、雪肌精ではクリームや乳液、ビックボトルを発売するなど、ブランドのラインナップをどんどん拡充していったというのがこれまでの大まかな流れです。
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この記事は週刊粧業 2013年8月5日号 8ページ 掲載
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