ハリウッド 牛山社長、100周年を前に老舗意識捨て変化を楽しむ企業へ

C&T 2016年12月15日号 50ページ

カンタンに言うと

ハリウッド 牛山社長、100周年を前に老舗意識捨て変化を楽しむ企業へ
 2016年8月の定時総会及びその後の取締役会で新たに社長に就任した牛山大輔氏は、創業者である牛山清人氏の孫にあたる。

 大正14年に美容室を開店し、美容師養成と化粧品製造をはじめたことを創業の礎とし、美容室経営、学校教育、化粧品製造を軸に90年もの長きにわたって事業を展開してきたハリウッドは、創業100周年を前にあえて老舗の看板を外すことで、会社に変革をもたらそうとしている。

 牛山新社長に、同社の創業精神と今後の展開について話を伺った。



アメリカ・ハリウッドでの経験が創業の原点に
男女平等や女性の自立が創業者を駆り立てる

 ――ハリウッドが90年にわたって目指してきたテーマはなんですか。

 牛山 創業から変わらず発信してきているのは「女性の自立」だ。女性が手に職を持って、生涯活躍し続けられる職業として、美容業を発展させることを使命に、創業者の牛山清人と夫人で美容家のメイ・ウシヤマの代から取り組んでいる。

 その原点は、牛山清人が単身アメリカ・ロサンゼルスへ渡米したことからはじまる。

 大正期、20世紀の幕開けとともに文明も大きく発展し、海外に対する関心が高まっていたころでもあった。特に西海岸は移民が多く、新たな映画産業が興った華々しい街という印象があり、当時育ての父親が渡米したのを機に、牛山清人も父親を頼って渡米した。

 しかし、運悪くその父親が現地で亡くなってしまい、彼は見知らぬ土地で一人で暮らさざるを得なくなった。

 その時に、ロスの移民に英語教育を行っている真言宗のお寺の住職に助けられ、語学を習得した。当時はチャップリンなどのハリウッドスターが大人気で、映画産業がちょうど盛り上がってきたころだったため牛山清人も俳優を目指して、ハリウッド映画で活躍していた日本人俳優の早川雪洲氏に弟子入りして住み込みで働くことになった。

 渡米後の生活で、運転手や犬の散歩係、ホテルのボーイや窓ふきなど様々な仕事をする中で、ビバリーヒルズのホテルでの経験が、創業精神を支えたと言っていい。

 ビバリーヒルズのホテルは豪奢で、成功者の象徴でもあった。そこで牛山清人が目にしたのが「レディファースト」だ。女性の地位が低かった日本とは異なり、アメリカでは女性が立てられている。しかも、働いて自立している女性も多く、自分を着飾って美しく見せることを知っている。

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