一丸ファルコス、新規育毛原料のメカニズムに世界的評価

C&T 2019年12月16日号 52ページ

一丸ファルコス、新規育毛原料のメカニズムに世界的評価
 一丸ファルコスは、2019年春に販売を開始した新規育毛原料「バージョンアップ」(表示名称:オランダカラシエキス)に見出した育毛・発毛アプローチとその効果が、世界的に評価されたことを受けて、海外市場への販売も強化している。

 一般的に育毛剤に使われている育毛有効成分は、毛根を「護る」、発毛を「促す」の2タイプに分類できるが、「バージョンアップ」は毛髪を「護り、促す」という育毛剤に必要とされる2つのアプローチが同時に可能であることが確認されている。

 また、男性だけでなく女性の薄毛対策にも効果が期待できる。その研究成果により、同年11月に開催されたアジア最大級の化粧品原料見本市in-cosmetics Asia(タイ)では、イノベーションゾーン・ベスト原料賞として日本企業で唯一ノミネートされるという快挙を遂げている。

 「バージョンアップ」は、国産クレソン(オランダカラシ)を素材とするエキス。同社は、再生医療分野の研究から、生体中で器官の発生や組織再生にかかわり、昨今注目されているタンパク質「R-spondin1(RSPO1)」に着目し、今までになかった新しい理論(図)を見出した発毛・養毛原料を開発した。

 毛乳頭細胞からの「R-spondin1」の分泌を促進する効果(発毛効果)とともに、男性ホルモン作用機構で働く脱毛因子DKK1の産生を抑制する効果(脱毛抑制効果)を発見した。



 同社は、RSPO1が毛髪を太く、抜けにくくするのに重要な「外毛根鞘」という毛包の土台を活性化し、さらに男性ホルモンの作用機構も同時に抑制することを突き止めた。RSPO1は、毛乳頭細胞から分泌され、外毛根鞘細胞の受容体(LGR5)にはたらきかけて頭髪の成長期を促す役割を持つ。

 さらに、RSPO1は男性ホルモン(DHT)により誘発される脱毛因子(DKK1)の産生を抑制する効果も確認されており、RSPO1の産生を促すことは、「護る」と「促す」の2つのアプローチを同時に実現することを意味する。同社はバージョンアップにRSPO1産生を促進する作用を確認。男性型脱毛症だけでなく、女性の薄毛への効果も期待される。

 ヒトモニターによる6カ月間の育毛試験も実施済みで、バージョンアップ配合ローションの連用塗布により、髪本数や太さの向上(図)、髪ボリューム感の向上や抜け毛の減少など体感性のある育毛効果が確認されている。

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