資生堂、世界で初めて皮膚のリンパ管の老化メカニズムを解明

粧業日報 2020年11月6日号 1ページ

カンタンに言うと

  • 桑の根エキスにリンパ管老化抑制効果を発見
資生堂、世界で初めて皮膚のリンパ管の老化メカニズムを解明


 そこで、20歳代の若年層8名の皮膚のリンパ管と40歳代~60歳代のマチュア層10名の皮膚のリンパ管の老化割合を比較したところ、マチュア層では老化したリンパ管の割合が顕著に増加していることが明らかになった。

 また、リンパ管内皮細胞の培養を続けることによって老化させたところ、リンパ管に特徴的な遺伝子(Prox1)の発現が顕著に減少してリンパ管の機能を持たない別の細胞へ変化することが確認された。

 さらに、リンパ管内皮細胞の老化、形質転換の引き金であるトランスフォーミング増殖因子β(TGF-β)によって、リンパ管が漏れやすくなり、その機能が低下することもわかった。



 東京医科歯科大学との共同研究では、リンパ管の老化を抑制する薬剤を探索するためのアッセイ系を構築した結果、桑の根エキスにリンパ管の老化を抑制する高い効果が見出された。

 つまり今回の研究により、皮膚のリンパ管を構成する細胞はその性質が変わることで老化が進み、皮膚の老廃物を回収する機能を失うこと、老化によるリンパ管の変化に対して桑の根エキスは老化抑制効果があることが見出された。
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