サティス製薬、M&Aで今年2工場取得し製造力増強

週刊粧業 2021年7月5日号 28ページ

カンタンに言うと

  • 顧客の物流支援や製造効率化にも活用
サティス製薬、M&Aで今年2工場取得し製造力増強
 D2Cブランドに特化したOEMを展開するサティス製薬は、M&Aで製造拠点を広げるほか、業務提携で顧客の物流支援や素原料の効率的な確保体制を整える。

 山崎智士社長に話を伺った。

 ――アライアンスを築く上で重視することは。

 山崎 当社ではアライアンスを「win₋winの関係であること」を前提に、3条件で定義する。

 1点目は、そもそも両者が叶えたい個別のビジョンがアライアンス後も独立し続け、かつ促進する効用があること。

 2点目は、アライアンスで必要な設備投資などのリスクテイクを主体的に判断していること。

 3点目は、アライアンスの最中も終了後も、両者の経営が自立し続けること。当社は2009年からM&Aを行っているが、いずれの企業も法人は残しているため傘下に入れた感覚はなく、企業ごとに成果を上げられる仕組みを構築している。

 これらを踏まえ、当社では主に3軸でアライアンス戦略を進めている。

 まず自社の製造拠点を増強するためにM&Aというアライアンス手法を用いてきた。3月末に取得した第五工場を含め、これまで4箇所の工場をM&Aで取得した。今年中に第六工場も取得予定で、市場の要望に柔軟に対応できる環境を整えた。

 ――2軸目については。

 山崎 販売先への物流支援にアライアンスを活用している。D2C事業者にとって物流コストは、宣伝広告費に次いで高い割合のため、この圧縮に貢献すべく数年前から日本郵政と連携して物流サービスを提供してきた。

 埼玉を拠点に製品の保管や配送等を担い、コストやリードタイム削減に貢献する。今後は拠点を増やし、迅速に配送できるエリアを拡大する。

 3軸目として、化粧品原料の素になる素材生産者との協業で、優秀な素原料を効率的に確保している。

 当社は自社で高性能な原料を開発しているが、例えば和栗の皮から抽出する「植物由来のヒト型セラミド」は、果肉が付着していない栗皮だけを確保する体制を生産者の協力で叶えている。

 これらの戦略を軸に、当社のビジョン「1人でも多くの女性に正しい綺麗を」の前進につながるwinと、先方のwinが叶えられる関係で今後も事業展開を進めていく。
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