イル・ヴリール、カンボジア現地政府とも連携し拡販めざす

週刊粧業 2023年4月10日号 21ページ

カンタンに言うと

  • カンボジア農家の貧困解決へ
イル・ヴリール、カンボジア現地政府とも連携し拡販めざす
 イル・ヴリールは、2016年からカンボジアにおける貧困を解決すべく、カンボジア政府とも連携し、現地で生産されるゴールデンシルクを用いた化粧品開発に取り組んでおり、「#sdgscosmetics」を掲げ、OEMやサロンへの導入を提案している。

 シルク産業は、カンボジアの主要民族であるクメールの伝統となっているが、2020年頃からは、カンボジア国内において手織りの技術は伝承されているものの、その生糸の原料である蚕は輸入に頼っている状況が続いているという。

 そこでイル・ヴリールの代表取締役である加藤和則氏は、カンボジアの伝統である養蚕業の復興を目指し、カンボジアの農業省とともに養蚕業をスタートさせた。

 その後、独立行政法人JICAの採択を受けた上で、カンボジア政府とも連携し、ゴールデンシルクの化粧品への採用を進めた。現地農家の貧困をダイレクトに解決するリアルなSDGsとして日本はもとよりカンボジアにも提案していく。

 日本では、あくまでブランディングを意識した戦略を採用しており、OEMを積極的に受注し、ゴールデンシルクを用いた化粧品を増加させることで、カンボジアの農家を支援していく。カンボジアにおいてもゴールデンシルク配合化粧品を市場に定着させることに取り組んでいく。さらに、カンボジア国内にエステの美容学校を作ることで、女性の雇用促進も図っていく。

 「日本製の化粧品が優位性を持っているカンボジアでは、日本ブランドの模造品が流通してしまっている。当社はカンボジア政府と連携し、信頼性を担保して広く商品を流通させることが可能であり、当社と協業という形での化粧品開発も可能だ」(加藤氏)

 今後は、カンボジアでの事例を雛形として、他国でも同様の事業展開を考えているという。

 「自国のシルクで日本製の化粧品を作るというのは、カンボジアやその隣国などの発展途上国にとっては、夢のある話として捉えられる。またカンボジアでの実績もあるので、事業としても展開しやすいと考えている」(加藤氏)
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