セントラル・コーポレーション、日本人から培養した「臍帯血」由来エクソソームで差別化を

週刊粧業 2023年9月25日号 6ページ

カンタンに言うと

  • 「ヒトサイタイ血由来幹細胞エクソソーム」で新たな道を開拓
  • 完全独自処方のエクソソーム化粧品を100個から提供
セントラル・コーポレーション、日本人から培養した「臍帯血」由来エクソソームで差別化を
 セントラル・コーポレーション(本社=岡山県、笹山博史社長)は、幹細胞培養液とエクソソームの「由来」に着目し研究を行っている。

 「臍帯血由来」幹細胞培養液は、世界的な学術誌「ネイチャー」「セル」「サイエンス」で若返りタンパク質として証明されたGDF11が含有されていることに注目し、エクソソームは「元の細胞の情報を伝達する」という性質があることから「臍帯血由来」エクソソームを採用している。

 この2つの重要な要素が幹細胞化粧品の効果を左右し、「臍帯血由来」「日本人から培養」ということが大きな戦略ポイントになるという。

「ヒトサイタイ血由来幹細胞
エクソソーム」で新たな道を開拓

 ――最新の「幹細胞コスメ」に関する研究についてお聞かせください。

 笹山 消費者ニーズは「保護」化粧品から、「改善」「効果」を求める化粧品へと移行している。

 医療分野の進歩に合わせて、化粧品もさらに進化させていく必要があり、 最新の医療分野では「エクソソーム」が注目されている。

 最先端の美容療法として「エクソソーム注射」が美容クリニックで導入されるようになっており、当社ではこれを応用した化粧品の研究を進めている。

 ――「エクソソーム」の詳細についてご説明いただけますか。

 笹山 エクソソームは、細胞から分泌される50~150nmの顆粒状物質で、「情報伝達物質」とも呼ばれる。

 固有の特性として、エクソソームを分泌した元の細胞の情報を伝達することがわかっている。そのため、エクソソームが「どの細胞由来であるか」は、非常に重要なポイントだ。

 エクソソーム配合化粧品の販売戦略を考えるうえでも、「どの細胞由来であるか」「成分濃度はどのぐらいか」といった点が大きな意味を持つだろう。

 ――エクソソーム配合の化粧品も増えてきているように感じます。

 笹山 確かに近年増えてきているが、その多くは海外製の脂肪由来とするエクソソームを配合したものだ。

 「脂肪由来」は論文数が多いため、採用企業が多いのも理解できる。ただし、「脂肪由来」がこれだけ増えてくると、差別化がなかなか難しくなってしまうのではと懸念している。

 一方で、当社のOEM先からは「『日本人由来』の原料が良い」という強い要望もお聞きしていた。そこで当社ではこのほど、日本のとある研究所と提携し、日本人由来の「臍帯血由来」エクソソーム原料の開発に成功した。

 日本人由来の「臍帯血由来」エクソソームは、当社の幹細胞培養液研究の1つの到達点だと考えている。

 新原料では、全成分表示に「ヒトサイタイ血由来幹細胞エクソソーム」と表示できる。臍帯血由来エクソソームの表示名称は、日本で初めて当社が登録した。化粧品業界に新たな道を切り拓いたと自負している。



完全独自処方のエクソソーム
化粧品を100個から提供

 ――「臍帯血」由来エクソソームは、どのような優位性がありますか。

 笹山 原料メーカーでエクソソームの含有量を測定したところ、驚くことに69.62 Pg/mLというデータが確認できた。この数字は、一般的な幹細胞培養液の174倍の数値であり、「さすが日本の技術力」といえるのではないか。

 当社では、こうしたデータに基づき、本当に効果が期待できる原料・成分を選定している。

 ――「臍帯血」由来のエクソソームを化粧品に配合すればそれだけでよいのでしょうか。

 笹山 当社では、「臍帯血」由来のエクソソームと、「臍帯血」由来の幹細胞培養液を一緒に配合することをお薦めしている。

 「臍帯血」由来の幹細胞培養液には、注目のアンチエイジング成分である「GDF11」が、352Pg/mLという高濃度で含有されていることを示すデータがあるからだ。

 当社で比較したところ、他の由来の原料と比べても圧倒的に高い数値であることが分かっている。さまざまな由来の原料がある中で、「臍帯血由来」を当社が採用する理由の1つになった。もちろんこの「臍帯血」由来幹細胞培養液も国産だ。

 ――「GDF11」の詳細についてお聞かせいただけますか。

 笹山 「GDF11」は「若返りタンパク質」などと呼ばれることもある成分だ。

 皮膚細胞の増殖や皮膚構成タンパク質の合成を誘導し、老化した皮膚を取り戻す働きがあることが確認されている。

 世界的に注目されている成分で、世界3大学術誌ともいわれる「ネイチャー」「セル」「サイエンス」にも、「GDF11」に関する論文が軒並み掲載されており、テレビなどでも特集が組まれている。

 ――エクソソームや幹細胞培養液の安全性について確認はされていますか。

 笹山 当社が扱っているのは、日本人の検体から採取された正真正銘の国産原料だ。

 承認された倫理審査判定書に基づき、同意が得られた日本人から採取されている。HIV(エイズウイルス)やHBV(B型肝炎ウイルス)の検査を含め厳しい検査をクリアした、日本倫理委員会承認済みの細胞リソースを使っている。

 ――最後に、化粧品販売の新規事業や起業を目指す上で重要なポイントをお聞かせください。

 笹山 「完全オリジナルの幹細胞化粧品の発売元」になることが、最も重要だと考えている。

 当社では「完全独自処方」のエクソソーム化粧品を「100個から」でも製造させていただいている。

 100個からならばほぼノーリスクで、成長する幹細胞化粧品市場に参入することができる。まずは、成功の一歩を踏み出していただきたい。
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