アンチエイジング 、NMNの浸透性や安定性を高めた新原料を提案

週刊粧業 2024年1月1日号 90ページ

カンタンに言うと

  • 線維芽細胞の若返りを確認、優秀な皮膚透過率特性を示す
  • 化粧品原料としての幹細胞培養、エクソソームの機能性確認
アンチエイジング 、NMNの浸透性や安定性を高めた新原料を提案
 2012年の設立以来ヒト幹細胞培養液を専門に化粧品原料を供給し続けている日本のヒト幹細胞培養液におけるパイオニア企業であるアンチエイジング(牛島美樹社長)は2024年、これまで課題とされていた化粧品原料としてのNMNの弱点を克服し、浸透性を高めた新素材「Pentide-NMN」の提案を開始する。

線維芽細胞の若返りを確認、
優秀な皮膚透過率特性を示す

 NMNは近年、化粧品原料としても注目を集めている。サプリメントとしてのNMNは、ヒトの細胞の中に存在するNAD+を増加させ、アンチエイジングにも効果があることから、テレビ番組で特集を組まれるほど話題を集めた。

 NAD+は細胞が老化すると減少することが様々な研究でわかっており、細胞の中でNAD+をどのように増やしていくかというのは、近年のアンチエイジング研究のメインテーマの1つでもある。

 ただ、NMNを化粧品に配合しても、NMNは皮膚を透過することができないため、効果を発揮できない。そうした弱点を克服したのがPentide-NMNである。

 CITE JAPAN 2021アワードで技術部門金賞を受賞した、浸透型ペプチドをビタミンCの安定に用いた原料「Pentide-C」の技術を応用しており、同じ浸透型ペプチドをNMNと結合させたものとなる。

 老化した細胞にPentide-NMNを添加すると、NAD+が増加することが確認できている。NAD+を増加させると、老化を制御する「サーチュイン遺伝子」が活性化する。

 ウィスコンシン大学のアカゲザルの研究が有名だが、カロリー制限を行ったサルは非常に若々しく、カロリー制限を行わなかったサルは老化した。サーチュイン遺伝子は空腹になると活性化するが、それ以外に活性化する方法が模索されている。

 Pentide-NMNは、サーチュイン遺伝子のスイッチをオンにし、NAD+を上昇させる実験結果がある。

 実施した試験では、第10継代まであえて老化させた幹細胞にPentide-NMNを添加すると細胞が若返り、創傷治癒を促す分泌物の分泌能力が回復することが確認できている。

 さらに、Pentide-NMNの皮膚透過率試験も実施している。通常のNMNは皮膚に塗布しても透過率が0%だったが、Pentide-NMNは12時間で16.6%の優秀な皮膚透過率を示した。

 ちなみに、Pentide-Cの皮膚透過率は24時間で26.6%となっており、非常に好調な数字となっているが、Pentide-NMNはそれをさらに上回る結果となった。

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