今期(2024年8月期)で70期目の節目を迎えたヘアケア専門OEMの近代化学では、「高品質・高付加価値ヘアケアOEM」を追求し、機能価値に加えて共感を生むストーリー性を重視した情緒価値も併せ持つヘアケア製品づくりを進めている。岡部達彦社長に話を伺った。
――今期の近況と、今回のテーマ「アフターコロナ、我が社はこう変わる」について、貴社の見解をお聞かせください。
岡部 中小規模の美容室がコロナ融資の返済に苦慮されている影響もあり、ヘアサロン向けの業務用製品の売上が減少している。
一方で、ECをメインチャネルとするクライアントからの受注は好調で、業務用のマイナスを一般用でカバーし、トータルでは微増で推移している。
コロナ禍で人々の消費行動は大きく変わり、幅広い世代でECが定着し、問屋を介さず直接消費者へとアプローチできるD2Cが台頭した。
シャンプーやトリートメント、ヘアカラーなどの製品は、店頭で実際に試せるものではなく、容量が大きいと持ち運びに不便なため、デジタルを軸とするD2Cビジネスとの相性が良い。
我々のようなヘアケアOEMがアフターコロナで生き残っていくためには、ブランドにストーリー性を持たせて共感されるヘアケア製品づくりが重要になってくるだろう。
――先月出展された「ヘアケアEXPO」の反響はいかがでしょうか。
岡部 今回が初出展となるヘアケアEXPOには、総勢100社を超える企業の方々に足を運んでいただいた。
中でも特に反響があったのが「柚子シャンプー」で、トリートメントを使わずにシャンプーだけで髪がまとまる高保湿の洗い上がりに加えて、開発に2年の歳月を費やした再現性の高い柚子の香りが好評で、国内外の企業で見積依頼が複数寄せられた。
70期目の節目となる今期は、これまでと変わらずに「高品質・高付加価値ヘアケアOEM」を追求する。製品にストーリー性を持たせるという意味では、植物エキスを有効成分とする独自原料の幅を広げていくことが重要だ。
既に原料化しているヒト毛乳頭細胞アクティブ原料「IG-Ex」の育毛・発毛効果については、外部との共同研究をさらに進めていきたい。
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この記事は週刊粧業 2024年2月26日号 10ページ 掲載
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