オーガニック・エコロジー化粧品の動向、継続的な啓蒙活動が普及のカギ

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オーガニック・エコロジー化粧品の動向、継続的な啓蒙活動が普及のカギ

 ヘルス&ビューティ業界のエコロジー商品と言えば、以前は洗剤や石けんといったハウスホールド製品が中心であった。しかし海外のオーガニックブランドの参入が相次ぎ、化粧品ユーザーもエコロジーへの関心が高まっている。容器回収など地道な活動の成果が出始めているようだ。

 「エコロジーとオーガニック」でWeb検索をすると、ヒット数は70万を超える。この2つのテーマは互いを引き立てる役割を持っている。肌へのやさしさを訴求したオーガニックコスメはリサイクルペーパーや再生容器を使用しているブランドも少なくない。このような化粧品との出会いが、エコロジー商品に興味を持つきっかけになる可能性は高いと言える。

 ただし、オーガニックへの関心度はまだまだ個人差がある。

 「マーケットシェアは小さいものの、オーガニック化粧品は少しづつユーザーが増えている。ただし、店頭に立ってわかったことだが、フリー客の中にはオーガニックやナチュラルの意味をよくわかっていない、興味がないという方もおり、まだまだ知らない人が多いことがわかった」(武田美貴子ドルチェ・ヴィータ・エッセンツィアーリ代表)という。

 ただし、興味のなかったフリー客でもタッチアップをすると香りのやわらかさや使用感のよさを実感し、トライアルサイズの購入を機に愛用者になったケースもある。母親になった途端、子供を守るためにオーガニックやエコロジーの意識が高まる人も多いようだ。やはり地道な店頭活動の積み重ねが新規ユーザーを育成する。見方を変えれば、まだまだ成長する余地が残されている分野と言えるだろう。

 近年、容器の視点から見たエコロジー対策が進みつつある。

 化粧品大手の資生堂や花王がヘアケアブランドでサトウキビ由来のポリエチレン容器を採用し、二酸化炭素の排出量削減に取り組んでいる。

 H&B業界ではエコロジーのファーストステップとして詰替用が普及した。次のステップが容器回収である。ラッシュジャパンのように100%リサイクル樹脂を使ったポットを回収して再利用するなど、循環型社会を目指した取り組みが少しづつ広がっている。アヴェダのように製品を廃棄せずリサイクルを基本とするC2C認証を取得するブランドも出てきた。

 エコロジー活動は続けることで徐々に消費者に浸透していくもの。そのような意味では今後、小売店の協力も不可欠と言えるだろう。

エコロジー化粧品の最新動向・記事掲載企業】
◎アヴェダ~「インヴァティ」でC2Cゴールド基準認証、容器の再生素材比率向上にも努める
◎ザ・ボディショップ~機能性にこだわった新・美容液を育成、“エコ・コンシャス”シリーズも販促強化
◎ラッシュジャパン~再生ボトルの国内循環システム確立、使用済み透明ボトルの回収スタート
◎ドルチェ・ヴィータ・エッセンツィアーリ~ドイツのエコロジー化粧品を展開、夏に続き後半も新製品続々導入
◎クレコス~容器の回収などリサイクル活動展開、間伐材を使った製品や外箱づくりも
◎ミクニ~「エコ加湿器」のパイオニア、アイテム拡充で選べる売場を提案
◎旭化成ホームプロダクツ~ドイツの「フロッシュ」を国内独占販売、新コンセプト掲げハイペースで出荷中

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