私の生まれた中国では、この2、3年ある虫が大量発生しているそうです。この虫は日本にも数多くいるそうですが、中国でその数は約1000万以上と言われ大きな社会問題にもなっております。この虫の名前は「網虫」と言います。「網」は中国語でインターネットを表しています。何の虫かお分かりになりましたか?
そうです。インターネット依存症の若者をこう呼んでいます。2012年7月19日の中国インターネット情報センター(CNNIC)の発表によりますと中国のネットユーザーは、6月末時点で5億3800万人に達したということです。このネットユーザーの大半が30歳以下の若者で、ネットは若者にとってはなくてはならないものになっています。
また、5億人近いユーザーの約7割近くがネットショッピングの経験があると答えました。中国でなぜこれほどネットショッピングが受け入れられたのでしょう?日本と何が違うのでしょうか?
日本では実店舗などの販売チャネルの基礎がしっかりできてのち、ネットショッピングのシステムがスタートしました。特に化粧品業界は、専門店でのカウンセリング販売という伝統があったため、メーカー側もネットで売ることに抵抗がありました。ネット販売は知名度のない新規メーカーの販売方法という考えがあったのではないでしょうか?
しかし、歴史の浅い中国化粧品市場では、実店舗(専門店・ドラッグストア・薬局)販売とネット販売が同時に発展していったのです。むしろスピードの面ではネットショッピングの方が1歩リードしているくらいです。また、いつでもどこにいてもほしい商品がすぐ手に入る利便性や、価格の安さ、豊富な品揃えなどの理由から、ネットショッピングの利用者が年々増加しております。
利用者が増えれば、より使いやすいように周辺のシステムもますます発展します。中国のネットショッピングのネックとなっていた「荷物が届かない」「扱いが乱暴」などと言ったことはもう過去の話で最近では、日本同様、荷物の追跡もでき、返品も無料で取りに来てくれる配送業者もあります。また、「支付宝(アリペイ)」などのネット決済のサービスが構築されているため、よりスムーズに安心して支払ができるようになりました。まさに相乗効果で、ネットショッピングの利用者はさらに増加していったのです。
私もそうですが、中国人は中味をしつこく確認してから買物します。偽物やコピー商品が溢れている市場でいつも買物しているのですから、ちゃんと確かめるのは当たり前です。そんな中国人が実際に手に取って確認することができないネットでなぜ品物を購入するのか?
疑問に思われる方も多いでしょう。そのためにチャットという「文字会話」システムがあります。
中国ネットショッピングにはチャットは必要不可欠なものです。どのサイトでも24時間体制でやっています。商品について、わからないことや不安に思うことは、すぐチャットで質問します。チャットは1人で複数人の対応ができますので、待たせれることはありません。日常の挨拶「ご飯食べた?」から始まって「アレルギーがあるんだけど、このクリーム大丈夫?」とか「このメーカー知らないけど有名なの?」などなどチャットでとことん聞いて納得してから購入します。日本では問合せは電話が主流ですよね。受話器を持って5分以上待っているなんてせっかちな中国人には考えられないことです。
斉晶岩(サイ ショウガン)
LAFASO JAPAN 代表取締役社長
北京第ニ外国語学校日本語学科卒業 日立グループ日立製作所東京本社国際電力営業本部所属 イギリスバーミンガムにて英国経営管理修士(MBA)取得 2011年LAFASOの日本法人LAFASO JAPAN設立 母親は日本人。赴任先でもあった瀬戸内の景色と魚料理をこよなく愛す。
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