少しずつですが春の足音が聞こえて参りました。お花見と言えば日本では桜ですが、中国のお花見は桃の花です。2012年のこの季節にLAFASOは「桃花節」と称したキャンペーンを行い、地下鉄のホームをポスターで桃色に染めました。春という季節は女性の心を躍らせ、おしゃれをしたい気持ちにさせますね。
前回に引き続きウェイボーについてお話ししたいと思います。まず、LAFASO代表の李静のつぶやきは、ほとんどが日常生活についてです。「今、撮影が終わったところ......今日の昼ご飯はこれだよ」「最近、出張が多くてついつい食べ過ぎちゃって、やばい......」といった具合に自宅の様子や読んでいる本、撮影の合間の様子など、アップしている画像も彼女自身が携帯で撮影した身近なものばかりです。
家庭も持ち、仕事もばりばりして、聡明でセンスもよい。そんな彼女は中国キャリア世代の憧れです。しかし彼女のウェイボーからは飾らない人柄や自然や動物を愛するやさしい一面を垣間見ることができます。そして一女性として、美容やアンチエイジングに日々気を付けていることなどがわかります。
LAFASOの美容情報TV番組「美麗佳人(Pretty Girl)」のレギュラーでもある小P老師。彼が監修するWEB美容番組(PIMEI.com)がスタートしてからフォロワー数が急増し、ついに1300万人を越えました。台湾出身のカリスマメイクアップアーチストで台湾・香港・中国全土で大変有名です。
著書やテレビ番組の出演も多く、「美の魔術師」と呼ばれています。つぶやく内容はほぼ美容関係で、メイク・スキンケア・ヘア・ファッションとおしゃれに関する情報を、一日平均4.5回アップしています。コメントに写真や動画が連動しているので、とてもわかりやすい。またリツィートされる回数も多く、影響力の大きさに驚かされます。
セール情報や懸賞目当てでウェイボーやっている人はほとんどいないと思います。なぜなら会員登録をしたサイトから、毎日山のように、お買得情報やキャンペーンメールが届いて、多くの人が辟易しているからです。 では、若い中国女性はウェイボーに何を求めていると思われますか?キーワードは「共感」です。李静のつぶやきを通して、憧れの李静とそして彼女をフォローしている顔も知らない誰かと共感する。そのつぶやきをリツィートして、自分のフォロワーと再び共感する。ウェイボーなら、面白い! かわいい! 楽しい! その場にいなくても瞬時に共感することが可能です。
共感は人物に対してだけではありません。2012年、ネスレが中国で発売した外側をバナナの皮のようにむいで食べるちょっと変わったアイスクリーム。このアイスを使った写真をウェイボーで募集したところ、ネスレ側も想定していないユニークな作品が多く集まり、一気に人気が広まりました。ウェイボーの検索キーワードランキング一位になるほどの話題を集めたそうです。
企業や商品のウェイボーは一歩間違えば情報の垂れ流しになってしまいます。しかし共感してもらえれば、信じらないくらいのスピードで知名度はアップするでしょう。この情報伝播力を利用して、中国での販路拡大を考える時に大切なことが一つあります。
『誰に対して発信しているか』という事です。日本で流行っている商品や情報を、そのままウェイボーに持ち込んでも決して若い中国女性の共感は得られません。相手は80后90后と称される中国の新人類たちです。話題作りや演出にも工夫が必要です。
人々の消費行動に影響を与える人を「インフルエンサー」と呼ぶそうですが、李静も小P老師もまさにインフルエンサーの一人と言えます。中国化粧品市場に進出をお考えの方、まずは中国美容業界に影響力のあるこの二人のフォロワーになって、つぶやきをチェックしてみるのもよいと思います。
斉晶岩(サイ ショウガン)
LAFASO JAPAN 代表取締役社長
北京第ニ外国語学校日本語学科卒業 日立グループ日立製作所東京本社国際電力営業本部所属 イギリスバーミンガムにて英国経営管理修士(MBA)取得 2011年LAFASOの日本法人LAFASO JAPAN設立 母親は日本人。赴任先でもあった瀬戸内の景色と魚料理をこよなく愛す。
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