化粧品マーケティング情報

美白化粧品回収騒動から数カ月~それでも衰えない「美白」を求める女性のココロ~

 化粧品に特化したマーケティング事業を展開する(株)ソフィアリンクス(所在地:東京都港区/代表取締役:三原誠史)は、女性の美白化粧品に対する意識調査をまとめました。

 2013年、「肌がまだらに白くなる白斑症状がみられた」として、原因とされる美白有効成分「ロドデノール」を含む化粧品の回収が話題になりました。

 あれから数か月、美白に対する女性たちに変化はあったのでしょうか?

 調査は、2014年1月に20代~60代の女性を対象に実施しています。

◆「美白化粧品回収騒動」は9割以上が認知!そして取った行動とは?

 昨年の「美白化粧品回収騒動」について知っているか女性たちに質問したところ、9割以上が「知っており関心がある」「知っている」と高い認知率を示す回答をしています。

 騒動に対する高い認知を持つ女性たちは、その後どのような行動を取ったのでしょうか?

 調査の結果、美白化粧品現ユーザーの64.7%が「何も行動を取っていない」ことが判明。「化粧品以外で美白に取り組む」「使用頻度を減らす」「使うアイテムを減らす」といった使用抑制は、現ユーザーで10.6%、離反者で22.6%にとどまっています。

 ところで回収騒動の対象となった美白有効成分「ロドデノール」の認知率はどうでしょうか?

 「名前を聞いたことがある」と回答したのは、美白化粧品現ユーザーの10.5%、離反者の9.4%にとどまりました。回収騒動の詳細について詳しく把握されていないといえるでしょう。

 騒動後、ブランドイメージが悪化しているのは、回収対象商品を扱うメーカー・カネボウのみ(回収騒動認知者かつブランド認知者で「イメージが悪くなった」と回答したのは43.8%)。グループ企業・花王も若干影響はみられる程度。回収騒動は対象ブランド使用者にのみ影響をおよぼし、美白化粧品を使用することへの不安・拒否感は少ないといえるでしょう。

◆美白化粧品現ユーザーの8割以上が「使い続けたい!」

 美白化粧品現ユーザーに「今後も美白化粧品を使いたいか」尋ねると、83.9%が使用意向を示し、「とても使いたい」と回答したのは4人に1人(全体の26.8%)でした。

 離反者において使用意向があるのは46.6%、使用意向のない(「あまり使いたくない」「全く使いたくない」)のは16.9%。「どちらともいえない」と答えたのは36.6%。「とても使いたい」8.4%が、「全く使いたくない」3.6%を上回る結果となりました。

◆美白化粧品離反者の使用中止理由とは? 使用再開するなら何が必要?

 美白化粧品離反者に「美白化粧品をやめた理由は?」と中止理由の複数回答を求めました。

 1位は「効果が感じられないから」の39.5%。2位は「美白よりも優先したい肌悩みに対応した化粧品に替えたから」24.3%、3位は「使っている美白化粧品を使い切ったから」24.3%、そして4位に「美白化粧品による被害の報道を見たから」という23.3%の回答を得ています。離反者の中止要因は「美白化粧品そのものの効果」がもっとも大きいことがわかりました。

 また、離反者の美白化粧品使用再開要因について複数回答を求めました。

 1位は「安全性が保証されたら」の53.4%。2位は「もっと安くて効果のある美白化粧品が出たら」の44.6%。3位は「もっと効果のある美白化粧品が出たら」の27.2%となっています。離反者が美白化粧品を再開するならまず「安全性」が1位ですが、「効果のあること」に着目し2位と3位を合計すると「安全性」を上回ります。しかし「もっと安くて効果のある」ことを重視した回答が2位になったことは、女性の本音が伺えると言えるかもしれませんね。

 一方、「認可基準」「公表の仕組み」など「法制度の整備」に関する項目を再開要因としてあげる人は少なく、使用再開には「法制度の整備」より「メーカーへの改善期待」があると言えるでしょう。

◆美白化粧品回収騒動後の女性の意識は変わった?

 「回収騒動後、美白化粧品を選ぶ際に以前よりも意識するようになったこと」についての回答を「今後の使用意向」に関する回答の結果別に見ることで、以下のことがわかりました。

 ① 「(今後も美白化粧品を)とても使いたい」「(今後も美白化粧品を)やや使いたい」層は「安心して使えること」「信頼しているメーカー/ブランドのものであること」「心配な成分が配合されていないこと」の順に意識し、期待しています。

 ② なかでも「(今後も美白化粧品を)とても使いたい」層は、「効果が高い」「信頼しているメーカー」「口コミ評価が高い」の重視が、ほかの層に比べて高くなっています。

 ③ 「(今後も美白化粧品を)あまり使いたくない」層は「安心して使えること」への意識が高く、「価格に見合う価値」「信頼しているメーカー・ブランド」「口コミ評価」は低い傾向があります。

◆美白化粧品現ユーザーの「美白メカニズム理解度」は47.5%!

 美白メカニズムの確認方法は「ふだん接しているメディア・購入場所」=商品とのコンタクトポイント!メカニズム把握(理解)度を購入チャネル別に検証するため、それぞれの層に質問しました。

 さらに「美白メカニズムをどのような方法で確認していますか」と、主購入チャネル別に質問したところ、下記の回答がそれぞれの1位を占めました。

●百貨店・デパート購入層は「店員・美容部員に聞いて」(71.4%)
●メーカー公式サイト購入層は「メーカー・ブランドの公式サイトで」(73.1%)
●ドラッグストア購入層は「商品パッケージで」(51.4%)
●スーパー購入層も「商品パッケージで」(57.8%)。

 「百貨店・デパート」では美容部員のカウンセリングを受けることができ、「メーカー公式サイト」では商品の良さがしっかり説明されます。これによりメカニズムを理解でき「価格に見合った商品」として、購入をしているのではないでしょうか?

 一方「ドラッグストア」「スーパー」は価格重視のチャネルであり、価格に納得すればメカニズム理解は重視されないとも言えるでしょう。

<調査実施概要>
調査方法:インターネットリサーチ (マクロミルモニタを使用)
調査対象:20~64歳女性で、美白化粧品を現在利用している方と、利用を中止した方
有効回答数:1,854サンプル 調査地域:全国
調査対象ブランド数:27ブランド
実施日時:2014年1月23日(木)~25日(土)

美白化粧品に関する調査プレスリリース.pdf
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