近年はスキンケアなどの化粧品だけでなく、肌に触れるもの全てにおいて、「肌に刺激が少ない」アイテムを求める声が高まっている。「肌に刺激が少ない」分野として注目を集めているのが天然由来原料を使用する「ナチュラル・オーガニック」であり、各企業が「肌に優しい」を合い言葉に商品を提案している。
サンスターは、ヘアスタイルの近年のナチュラルトレンドに対応し、2016年8月に「VO5」から霧状スプレーの軽さを活かして「ヌケ感」のあるヘアスタイルが自在につくれる新ライン「ヘアデザインクリエイター」を発売し、スタイリング剤市場の活性化を図っている。
男性化粧品ブランド「ギャツビー」からスタイリング剤を展開するマンダムは、ヤング男性のヘアスタイルニーズを細かく探るため、10代後半から30代男性への調査を定期的に行い、様々なニーズに対応できるスタイリング剤の開発・改良を進めている。
ヘアカラーをはじめとするヘアケア総合メーカーのナプラは2017年春、ヘアケアライン「N.(エヌドット)」を発売した。同ブランドの商品は繊細なニュアンスを思い通りに簡単に演出することができ、天然由来原料を中心とした商品からなる。
矢野経済研究所の発表によると、2016年度のヘアケア市場規模は、前年比100.6%の4408億円で、伸長率はほぼ横ばいとなっている。また、企業の調査によれは、2017年上期のSCIデータでは、市場規模は1%増、単価においては3%増、下期においても1%増を見込んでおり、単価が上昇傾向にある。最近はナチュラル・オーガニックから派生したボタニカルブームが市場を席巻しており、ドラッグストアチャネルにおいてはイーネの「ボタニスト」が約1割の売上シェアを占めているという。その一方で、ノンシリコンやボタニカルに続く新たなヒットを生むような付加価値がまだ登場しておらず、ヘアケア市場は活路を見出せない状態が続いている。
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