2017年オーラルケア市場規模は1%増の2360億円
2017年1~12月のオーラルケア市場(金額ベース、週刊粧業調べ)は、前年比1%増の2360億円となった。
ハミガキを中心とした高機能・高付加価値化に加え、洗口液やデンタル用品の併用率向上により拡大傾向にあるが、最近5年間は毎年3%前後で伸長してきたことを踏まえると、17年は伸長率が鈍化したといえる。
主要カテゴリーをみると、ハブラシが1%減の548億円で前年を下回ったが、ハミガキが1%増の884億円、洗口液が3%増の332億円、歯間清掃具を中心としたデンタル用品は5%増の186億円だった。
ライオン、「デンチャーケア」の全国発売へ

ライオンは2017年、各ブランドを通して、製品機能を伝えるだけでなく、使用体験により生活に良い影響を及ぼすベネフィット提案でオーラルケア意識を高める活動を推進してきた。
一例として、口臭予防ブランド「NONIO」では、使用により周囲とのコミュニケーションを高め、良い人間関係が築ける価値提案を推進した。
サンスター、Ora2とガムの新商品育成に注力

サンスターグループ オーラルケアカンパニーは、オーラルケアブランド「Ora2(オーラツー)」から新シリーズ「Ora2 me(オーラツーミー)」を3月12日に発売し、「ガム歯周プロケアシリーズ」(1月17日発売)と合わせて注力商品と位置づけた。
「オーラツーミー」は、女性が使いやすい形状のハブラシ「同 ハブラシ」やステイン除去力が高いハミガキ「同 ステインクリア ペースト」、ニオイ・ステインのもとを除去できるマウスウォッシュ「同 ブレス&ステインクリア マウスウォッシュ」など、全22品目をラインナップし、特に20~30代女性の未使用者が多いマウスウォッシュを軸にPRを進めていく。
花王、舌にのせて使う泡ハミガキで口内を洗う習慣を提案

花王は、クリアクリーン、ピュオーラ、ディープクリーンの展開3ブランドでそれぞれ、歯の健康、歯周トラブル、歯ぐき疾患予防の症状対象を絞り込んだブランドマネジメントを推進している。
同社は、市場伸長にともない、売場が広がり商品が増え、自身に合ったものの選びにくさを感じている消費者が増えていることを捉え、「オーラルケアの意識向上には、誰のためのブランドであるかをわかりやすく伝えることが重要になってきている」と話す。
小林製薬、歯間ケアの啓発推進

小林製薬のオーラルケアカテゴリーは2017年度、主力の「生葉」ブランドや歯間清掃具関連が好調に推移し、参入カテゴリーの市場活性化に貢献した。
18年春は大きな新製品の発売はないが、好調ブランド・シリーズを軸に、オーラルケア意識の向上につながる啓発活動を引き続き推進し、市場活性化を促す。