昨年の大震災により人命、家屋、財産、電力等に甚大な被害を受けましたが、それ以上に日本人が受けた心理的影響は大きく、経済活動への影響があると思われます。しかし、海外からの多くの支援もあり、従来から我が国が築いてきた信用が大きく揺らぐことがなかったのは幸いでした。世界経済は、ギリシャを始めとする欧州の経済不安定及び米国の政治、景気の先行き不透明が重なり暗雲がたちこめているのが現状であります。
この様な中で我々業界が考えねばならないのは低価格競争の自粛であります。震災後の一時的な物不足で、価格の下落は止まったが商品が出回って来るとまた低価格志向になり、デフレが再開したと思われます。デフレが利益を減少させ、消費者に届ける商品の研究開発も弱まり、企業の体力も弱まります。
低価格志向で一時的に売上げを伸ばしても、メーカーだけでなく小売業も打撃を受けることに留意し、ある程度の利益をあげ企業体質を強くし、国際競争力を高めることが肝要です。営業担当者が値引きに走りがちなのは、売上げ規模だけ追いかける傾向があり、ちゃんと利益も意識した営業をやるように社内の営業体制を見直す必要があると思われます。
特に中小企業の場合、社長自ら営業活動することがあり、未だに低価格志向で売上げを上げようとする業者がいるとすれば、大いに反省すべきことです。
昨年は震災の復旧の年であり今年は復興の年ですが、ただ復興するだけではなく、この様な大きな困難に直面したのを大きなチャンスとして捉え、従来の固定観念を脱して等身大の自分、企業、日本の実力を見直す機会にしたいものです。先行き不安の中で生きて行くためには、まず目的意識を持ち目標を定め、それを全力で達成することに努力することです。
難しいことですが、中国の諺に“万変、その宗を離れず”の言葉があります。どんな変化があっても目的から離れない。例えば会社をよくしようする目的を作ればどんな環境の変化があっても変えない、変える事はしない、この様な心構えで組合員と共に前へ進んで行きたいと思います。
この記事は週刊粧業 掲載
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