皆様の会社では、事業継続計画(BCP)を策定・運用していますでしょうか?
事業継続計画は、文字通り「事業」を「継続」するため、特定した中核事業を目標復旧時間内に再開すべく、あらかじめ対応や手順を決めておく一連の活動です。
その範囲は自社にとどまらず、工場であれば、重要な製品が取引先に届くまでに必要なサプライチェーンすべてを含めることが本来のあり方です。
そして策定したBCPは、実際にリスクが発生した際に計画通り十分に機能することが、取引先からも社会的にも高く問われることになります。
昨年10月に開催された「危機管理産業展2011」の当社展示ブースでアンケートをしたところ、お答えいただいた企業(有効回答数=1865社)のうち、645社が「策定済み」、293社が「策定中」と、すでに何らかの形でBCPに取り組んでいる企業は50%を超えていました。そして、検討中も含め、今回の震災を受けてBCPの見直しに取り組んでいる企業も256社(約13%)に及んでいる結果となりました。
◆BCP構築は「結果事象」から考える
日本国内おいて、建物が被災する自然災害としてまず思いつくリスクは地震です。今回の東日本大震災が発生した際にも「建物や生産装置が被災して生産が停止するのでは」といった事象がまず懸念されたのではないでしょうか。
実際に、天井やパーティションといった非構造部材の落下や転倒、固定金物のせん断破壊や引き抜きが生じ、装置が移動・転倒したという被災事例が大変多かったです。
しかしながら、地震リスクの検証と対応を考えるあまり、本来のBCPの目的である「中核事業を目標復旧時間内に復旧」できるかという検証を忘れてはいけません。
今回の震災では、
●非常用発電機の燃料が足りない
●原材料調達や包装資材調達ができない
●現地に復旧要員が足りない。支援物資を送りたいが、物流が機能していない
●原発事故で工場が立入禁止区域になった
といった、地震以外のインパクトがとても大きなものでした。
「真」の事業の継続を考えた場合、地震や洪水といった「原因事象」を特定せず、「結果事象」から考えることが重要です。なぜなら原因事象として多様なリスク要因を探り、対応を検討すると膨大な時間とコストが必要になります。
まずは、中核事業が何らかの原因で停止する場合の代替手段を可能な限り検証し、その計画や移行手順をまとめることが必要と考えます。
このコラムでは、「災害を乗り越える、BCP構築のポイント」と題し、工場におけるBCP策定のポイントを、ファシリティ(施設)の視点から解説していきます。
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