卸流通化粧品市場に巻き起こる低価格化は今年も進行し、特にスキンケア分野では大手メーカーの参戦もあり競争が激化している。市場調査会社の富士経済は先頃、2011年から2012年にかけての化粧品市場について調査結果を発表した。今後も中価格帯商品の苦戦とともに低価格化が続くと予想している。一方で、ネットリサーチ最大手のマクロミルが9月に行った消費者調査では、低価格化に歯止めがかかりつつある現状をレポートしている。
◎低価格帯が0.9%増となる中、
中価格帯マスブランドの苦戦続く
世界的な景気低迷や東日本大震災の影響で消費マインドが冷え込む中、「費用対効果」に向ける視線はますます厳しくなっている。
スキンケアではロート製薬の「肌研(ハダラボ)」を筆頭に低価格帯と位置づけられるブランド・製品が売上げを伸ばした。その一方で苦戦を強いられているのが制度化粧品で、これを放置できないとみた大手メーカーは2010年以降、相次いで低価格帯の新ブランドを立ち上げた。
資生堂の「専科」やカネボウ化粧品の「潤(うるり)」などが発売された結果、低価格帯のスキンケア市場は活性化され、今年も「Za(ジーエー)」など新ブランドが参入する注目マーケットになっている。
そうした中、富士経済は2012年の国内化粧品市場は前年比0.2%増の2億2769億円になると予想。東日本大震災の影響で縮小した前年の反動や需要の回復が見込めるとしている。
このうち、低価格帯は0.9%増の5264億円となる見通しだ。中価格帯は1.2%減の9224億円、高価格帯は1.5%増の6599億円と予想しており、二極化がますます進行するとしている。
また、販売チャネル別の動向では、ドラッグストアを1.5%増の6517億円とした。カウンセリングブランドは苦戦しているものの、低価格帯商品の高機能化や品揃え強化が新たな需要を取り込んでいることを根拠としている。
さらに、アイテムの特性に目を移すと、複数の機能をもたせたオールインワンタイプやBBクリームなど〝時短〟や〝簡便性〟をコンセプトにしたアイテムがヒットしたことでも話題を集めた。(以下、省略)
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この記事は週刊粧業 掲載
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