ツバキスタイル、化粧品GMP対応進め九州・埼玉2拠点体制へ

週刊粧業 2016年1月18日号 6ページ

カンタンに言うと

ツバキスタイル、化粧品GMP対応進め九州・埼玉2拠点体制へ
二軸延伸ジャーとポンプに新型、
環境配慮型企業へ前向きに活動

 同社は、2015年に二軸延伸PETジャー容器「MIMI」を発売した。一般的な射出成型ジャー容器より、強度、気密性が高く、低粘度のバルクでも使用できるという。ガラスのような透明感が再現でき、コストも抑えられるという利点もあり、順調に商品化されている。デザインの自在性も特長としており、従来は困難だった特殊形状も成型可能なため差別化も容易としている。

 「射出成型容器よりも扱いやすいため、今後も金型を増やしてジャー容器の金型提案を強化し、対応数を増やす」(藤村太郎社長)

 また、国内ポンプメーカーと共同でオリジナルポンプを開発しており、1cc、3cc、泡ポンプフォーマーに対応している。デザイン性や使いやすさに優れ、意匠登録もしているため人気も高く、好調に販売数を伸ばしている。今年度も新ポンプを導入し、積極的に提案していく予定だ。

 さらに2013年に、簡単なラフスケッチで容器サンプルをつくることのできる3Dプリンタを導入したため、商談スピードが飛躍的に加速し、顧客の企画案の具現化がスムーズになった。以前よりガラスからプラスチックへの切り替え需要に対していち早く対応し、二軸延伸ブロー成型機の充実化を図ってきたため、ポンプ容器、ジャー容器ともに採用増につながっているという。

 同時に「環境へのやさしさ」を提唱している同社は、工場棟と事務所棟に直管型LEDランプ搭載ベースライトを合計約1000本導入し、工場はすべての照明をLEDライト化した。従来の蛍光灯と比較してほぼ同等の明るさを保ちながら、約42%の省エネを達成し、光源寿命は約4万時間と蛍光灯の3倍以上も長寿命化を実現している。さらに工場と倉庫屋根を遮熱塗料に塗り替え、その上に太陽光パネルも設置した。

 また、製造工場である椿化工において化粧品容器メーカーとしては世界で初めて、植物由来度と環境対応性を証明するSGS・ULといった世界二大認証会社によるマークを取得した。SGS社とUL社による植物由来素材度検証制度は、植物の収穫から最終製品までの製造工程と原料や製品の出入庫管理体制を検査しており、使用される植物由来原料のすべての工程上での環境対応状況を把握することが可能だ。これにより、悪質な非植物由来素材の故意や事故による混入を防止している。

 「限りある化石資源は、今のまま使い続ければ2050年にはなくなってしまうといわれている。私たちツバキスタイル、椿化工は、この限りある資源を少しでも後世に残していきたいとの思いで、樹脂成型品の原料に、サトウキビの廃材からつくられるバイオマスプラスチックの導入に積極的に取り組んでいる。企業の環境行動を評価する生活者は76%にも達しており、環境への取り組みは受け入れられつつある。当社は、いち早く植物由来素材度認証を取得し、環境に対する取り組みを、できること、しなければならないことを常に見つめ、行動していく」(藤村社長)

 現在、同社では樹脂量全体の10%までバイオマスプラスチックを使用できるまでになった。同時に、成型容器メーカーでは初となるバイオマスマークも取得した。オーガニック化粧品では、バルクだけでなく容器やパッケージにも「エコ」を求められることも多く、その際の差別化にバイオマスプラスチック素材の容器を差別化策として積極的に提案し、市場での認知向上を図る。
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