花王、唾液中の抗インフルエンザウイルス成分を特定

粧業日報 2019年6月20日号 6ページ

花王、唾液中の抗インフルエンザウイルス成分を特定
 花王生物科学研究所は、静岡県立大学薬学部・鈴木隆教授と唾液のもつヒトの生理作用について共同研究を進める中、ヒトの唾液の抗インフルエンザウイルス作用には個人差があることを突き止めた。

 また、いくつかの唾液成分と抗ウイルス活性に有意な相関が認められ、最も高い正の相関を示す成分がタンパク質に結合したシアル酸量(結合型シアル酸)であることから、この作用には結合型シアル酸が重要な役割を果たしていることを突き止めた。

 一方、花王生物科学研究所と花王パーソナルヘルスケア研究所は、結合型シアル酸が耳下腺よりも舌下腺・顎下腺から多く分泌され、炭酸刺激が抗インフルエンザウイルス作用の高い良質な唾液を分泌させる方法として優れていることを見出した。

 研究では、粉末食品原料を打錠した固形製剤(固形化するための賦形剤としてマルチトールを使用)を作成し、各固形製剤を舐めた時に分泌される唾液分泌量と全唾液中に含まれる舌顎下腺唾液の割合を評価したところ、舌顎下腺唾液の割合は高いものの、唾液の分泌量は限定的だった。

 しかし、炭酸発泡刺激型固形製剤を舐めた場合には、舌顎下腺唾液の割合は高く維持されたまま全唾液分泌量が高まっていた。

 つまり、固形製剤を舐めると発生する炭酸発泡刺激は、舌顎下腺唾液を選択的に分泌する作用があることがわかった。

 なお、同研究成果は、第73回日本栄養・食糧学会大会(2019年5月17~19日、静岡市)にて発表している。
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