花王、足圧総合評価システムを開発

粧業日報 2019年7月2日号 3ページ

花王、足圧総合評価システムを開発
 花王パーソナルヘルスケア研究所は、健康寿命の延伸に貢献する取り組みの1つとして、「歩くなどの日常生活活動や運動(身体活動)」に着目し、一生涯を通じたヒトの歩く特徴を科学的に解明して数値化(見える化)する研究を積み重ねる中、このほど、東京医療保健大学(木村哲学長)医療保健学部医療情報学科(今泉一哉教授、岩上優美助教)との産学連携の共同研究で、シート式圧力センサーを活用して、歩行時の足圧を測定・データ解析する技術「足圧総合評価システム」(足指面積率、足型判定の結果からヒトの歩く特徴を解析)を開発した。

 なお、同研究内容は、第61回日本老年医学会学術集会にて発表している。

 足圧総合評価システムは、足指面積出力システム、足型判定システム、足圧評価システムの3つで構成されている。

 足指面積出力システムを使った実験では、20~90代の3324名(女性:1771名、男性:1553名)を対象に、足指面積率の性・年代別の変化を検討した結果、男女とも70代以降で、足指面積率の有意な低下が認められた。さらに、女性高齢者126名(平均年齢:83.2歳)を対象に、直近1カ月間での転倒有無で足指面積率を比較した結果、転倒あり群で有意な足指面積率の低下が認められた。

 足型判定システムを使った実験では、20~80代の3244名(女性:1726名、男性:1518名)を対象に、足底部全体に対する中足部の圧力比率(MAI)の性・年代別の変化を解析した結果、年代別において、女性では60代以降、男性では70代以降でMAIの有意な増加(扁平足化)が認められた。さらに、歩行機能との関連も認められ、扁平足であるほど、歩幅や歩行速度などが有意に低いことが明らかとなった。

 足圧評価システムを使った実験では、足圧評価システムの結果レポートをフィードバックして、アンケート調査に回答した10~60代の66名(女性:13名、男性:53名)を対象に、どのような理解と気づきが得られたかのアンケート調査を実施した結果、自身の歩行機能を理解するきっかけとなり、歩行へのモチベーションが高まることがわかった。

 同社では、足圧総合評価システムを活用し、自分の歩く特徴について知ってもらう機会を提供するとともに、蓄積したデータから一生涯を通じたヒトの歩く特徴を科学的に解明する研究を積み重ねていく。
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