一般社団法人ジャパン・コスメティックセンター(JCC)は、佐賀県、唐津・玄界地域を「国際的コスメティッククラスター」とすることを目指し、フランスの「コスメティックバレー」と唐津市が連携協定を締結し、2013年に設立された。
今年で設立6周年を迎え、正会員数は195社(2019年3月31日現在)と拡大を続けている。
「新市場開拓」「産業創出」「地域ブランド構築」「産業集積」をミッションに活動を行うJCCは、地域素材の活用や台湾へのテストマーケティング、フランス輸出ルートの構築を行っている。JCCの今後の取り組みやビジョンを紹介する。
今年度は海外事業の推進でより
大きなハブ機能の獲得へ
JCCは6月18日、唐津市内で「2019年度定時社員総会」を開催した。冒頭には代表理事会長のアルバン・ロバート・ミュラー氏がビデオメッセージによる開会の挨拶を行った。
昨年度、JCCはアジア市場マッチング事業に注力し、アジアへの輸出を強化することで、ASEAN・台湾をターゲットとする販路拡大を図り、JCC会員のアジア市場への参入を促進してきた。
また、地域資源を事業化していくため、地域コア原料の開発として、椿やニホンムラサキ、キヌアなどの栽培支援や研究を強化している。
今年度の事業計画発表に際し、八島大三事務局長は「当団体は国際的なコスメティッククラスターの創出という構想から始まった。SDGsなどサステナビリティが注目される中で、人と環境に優しい『美容・健康・素材・交流』というサービス価値をテクノロジーという視点を加味し再確認していく」と今年度の活動指針を語った。
引き続き、産学共同での取り組みや販路の創出に力を入れていく中で、今年度は台湾テストマーケティング事業やフランス輸出ルートの構築を進めていき、より大きなハブ機能を獲得していくという。
第二部で行われた講演会では、「コスメティックの未来予想図~テクノロジーとパーソナライゼーション~」というテーマで、BeautyTech.jp編集長 矢野貴久子氏による講演が行われた。
矢野氏は「シャネルのOMO型ストアや中国のシェア化粧ボックスなど、世界的にもBeatyTechは顧客体験を向上させている。さらに、生産や販売の効率化につながり、新たなビジネス創出を加速させている」と、BeatyTechによる、美容ビジネスの新たな可能性について説明した。
その後、矢野氏をモデレーターにパネルディスカッションが行われ、パネリストとしてCODE Meee代表取締役CEOの太田賢司氏、Sparty inc.代表取締役CEOの深山陽介氏が登壇した。
両社はパーソナライゼーション領域に商品を展開しており、講演ではパーソナライゼーションに展開した背景や商品化に至る経緯などが語られた。
講演後、八島事務局長にJCCへの想いや今後の展望について話を伺った。
八島氏は「今年で設立6周年を迎え、活動の認知度も拡大してきた。コスメティック産業の集積地として、ローカルとグローバルを結びつけるハブとなるため、サプライヤーの誘致や産学共同、地域の素材の活用などを行ってきた。今後、そうした取り組みを消費者にも価値として届ける必要があると考えている。さらに、JCCがプラットフォームとしてメディア化することで、人的交流が生まれ、化粧品の流通と地域の活性化につなげていきたい」と、様々な想いを持った人が集まるプラットフォームとしてのJCCの展望を語った。