花王、皮脂RNAモニタリング技術で現在の肌状態を高精度に予測

粧業日報 2020年11月5日号 3ページ

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花王、皮脂RNAモニタリング技術で現在の肌状態を高精度に予測


 20~45歳の女性38名を対象に、それぞれの月経周期(卵胞期、黄体期、月経期)に皮脂RNAを採取し解析を行った結果、皮脂RNAの発現パターンは月経の各期に応じて変わること、卵胞期で増加することが報告されているVEGFA(血管内皮細胞増殖因子)が、皮脂RNAにおいても同様に変動することを確認した。



 さらに、20~59歳の女性134名の皮脂RNAを採取し、年齢との相関解析を行った結果、加齢に伴って皮脂RNAの発現パターンが変化することを確認した。

 また、加齢に伴って減少するATP5A1(ATP合成酵素)が、皮脂RNAにおいても同様に減少することが示された。

 これらのことから、皮脂RNAには体調や環境による変化がタイムリーに反映されることが考えられるという。



 続いて、20~59歳の女性134名を対象に、肌や体の状態に関連する99の項目について予測モデルの構築とその検証を行った。

 皮脂RNAと同時に、さまざまな専用機器による肌の物性値、肌評価のエキスパートによる素肌の目視評価スコア、肌内部成分の定量データなどを取得し、約9割の人の皮脂RNA、年齢情報・実測データを用いてAIの学習を実施して、約1割の人の皮脂RNAと年齢情報から今の肌状態を予測した。

 その結果、肌や体の状態に関連する86の項目、具体的には、計測機器による肌の水分量、専門評価者の目視による透明感、これまでは簡単に取得できなかった角層タンパク質の糖化状態などが、皮脂RNAと年齢により、高い精度で予測できることが示された。

 このことから、一度の皮脂採取だけで、測定にかかる時間や手間、肌への負担を大幅に軽減し、見えない肌状態まで多面的に可視化することができるという。
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