花王常務・カネボウ化粧品社長 村上由泰氏、危機を機会と捉えて強くなる

週刊粧業 2021年1月1日号 40ページ

花王常務・カネボウ化粧品社長 村上由泰氏、危機を機会と捉えて強くなる
 2020年を振り返りますと、国内市場は、新型コロナウイルス感染症拡大の影響による消費の低迷やインバウンドの消滅など、化粧品業界にとっては大変厳しい状況となりました。

 非常事態宣言解除後に一時的な回復基調があったものの、第二波、第三波の影響で市場の回復は遅れています。

 一方、世界に目を向けますと、中国市場は、早期に感染拡大を抑え込み、ECが力強く牽引して市場がいち早く回復しており、欧米も経済活動との両立により、回復の兆しが見え始めています。

 花王グループの化粧品事業は、2020年を『新成長戦略』をさらに加速させるための重要な年と位置付け、「新グローバルポートフォリオ」に基づいて存在感のある強いブランドづくりを推進して参りました。

 コロナ禍によってプレステージブランドが苦戦を強いられる中、「KANEBO」は、昨年2月のリブランディングによるブランド育成が順調に進み、CMがギャラクシー賞テレビCM部門大賞を受賞するなど、希望を発信するブランドとして多くの方に認知していただけたのではないかと思います。

 また、昨年は「トワニー」「リサージ」といった主力のカウンセリングブランドのリフレッシュを行うとともに、エシカル視点を取り入れ発売した「athletia」ブランドを上市するなど、ESG視点の事業運営を加速して参りました。

 コロナ禍は、人々の価値観、生活行動を大きく変え、5年かけて変わる世の中のトレンドを2週間に速めたとも言われています。

 しかし、私は、これらの急速な変化を、『危機』ではなくこれまで課題として認識してきた取り組みをより加速させる『機会』と捉え、やるべきことがより明確になったと考えています。

 今年1月からは、我々の新成長戦略をより力強く加速させるために、これまでのブランド管理・運営体制を見直し、ブランドポートフォリオに基づく新たな事業運営体制をスタートいたします。

 2021年の事業活動は、「ニューノーマルへの着眼による新価値提案」「ESG視点でのモノづくり、社会貢献活動」「プレステージスキンケアブランドの強化」に取り組んで参ります。
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