近代化学、100%自然由来製品と衛生製品に注力

週刊粧業 2021年2月22日号 10ページ

カンタンに言うと

  • 共同研究や海外輸出が事業拡大の鍵に
近代化学、100%自然由来製品と衛生製品に注力
 ヘアケア専門OEMの近代化学は、コロナ禍で美容室向けの業務用製品が苦戦する一方、主力の一般市場向けカラートリートメントが好調に推移し、今期は好調な滑り出しを見せている。

 岡部達彦社長に話を伺った。

 ――コロナ禍の中でも今期の業績はどのように推移されていますか。

 岡部 今期がスタートした昨年9月は、新型コロナの感染が再拡大し第2波がピークを超えた頃で、9~12月にかけて主力のカラートリートメントが業績を牽引し、前年同期と比べて好調な立ち上がりとなった。

 しかし、その直後に第3波が到来し、年末年始の忘年会や新年会、さらには成人式などのイベントが全国各地で自粛となり、それに伴って美容室向けの業務用製品が大きく苦戦している。

 このように現状では、第3波で業務用製品が苦戦しているものの、コロナ禍でカラートリートメントが空前のブームとなっているため、トータルでは前年同期の業績を上回っている状況だ。

 ――「コロナ禍を乗り切る」をテーマに、強化されている取り組みや期待をかける事業についてお聞かせください。

 岡部 今年1月に出展した化粧品開発展で新たに提案した「100%自然由来製品」と「衛生製品」の今後の引き合いに期待している。

 100%自然由来製品は開発に2~3年を費やし、アミノ酸系やベタイン系の洗浄成分をベースに自然由来原料のみを使用したシャンプー・トリートメントと、植物由来抗菌成分や保湿成分を配合したマスクスプレーを提案している。

 将来的には、ヘアカラーにおいても100%自然由来製品の開発を目指していく。

 衛生製品では、手肌にやさしい保湿成分のヒアルロン酸Naとトレハロースを配合したアルコールジェル・リキッド(化粧品)のほか、マスク表面に付着するウイルスや菌の除去・増殖抑制などの効果が期待できるアルコール成分配合マスクスプレー(雑貨)を開発した。

 今後は、医療機関や大学との共同研究をこれまで以上に強化し、従来の技術に新たな活路を見出すような取り組みを進めていきたい。

 また、コロナ禍で売上の1割を占める海外との結びつきが希薄となったことが我々の大きな課題だ。

 日本市場だけでは今後の成長は厳しく、1人あたりのGNI(国民総所得)が日本より上位の国や地域へ向けた輸出により一層注力していきたい。
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