長瀬産業、エラスチンの質と量にアプローチ

週刊粧業 2021年5月17日号 12ページ

カンタンに言うと

  • 植物由来の新エイジングケア素材
長瀬産業、エラスチンの質と量にアプローチ
 長瀬産業は、第10回CITE JAPANにて、NAGASEグループの林原が製造・販売する植物由来のエイジングケア素材「グルコシルナリンギン」を紹介する。

 柑橘由来のフラボノイドの一種「ナリンギン」は、様々な機能が期待されながらもその水溶性の低さから化粧品への利用が困難だったが、林原は独自の酸素技術を用いてナリンギンにグルコースを結合させ、水溶性を大きく改善し、植物由来の新しい機能性化粧品素材として幅広い化粧品製剤への利用を可能にした。

 真皮内で線維状の構造を形成し、コラーゲン線維を支えることで肌の弾力を維持するたんぱく質・エラスチンの産生を促進するだけでなく、線維形成を促進する効果があり、ヒト試験では肌の弾力とハリを改善する効果を確認している。

 同品は、2020年3月より発売を開始しているが、コロナ禍の影響もあり、日本での展示会で紹介するのは初となる。1日目には、「肌弾力改善効果を有する柑橘由来ポリフェノール配糖体『グルコシルナリンギン』のご紹介」(5月19日14時~14時30分)と題し技術発表も行う予定で、そのメカニズムやヒト試験の結果について紹介する。

 さらに、同じく林原が開発した、安定型・持続型ビタミンC誘導体「AA2g」の提案にも注力する。同品は、ビタミンCの着色や含量の低下などといった問題を解決し、安定性と持続性を兼ね備えた素材として長年利用されてきた。

 メラニンの生成を抑制し、黒色メラニンの淡色化と色素沈着の改善といった効果をもつほか、コラーゲン合成や抗酸化などビタミンCの持つ効果を活用できる多機能素材である。

 肌で代謝されやすい他のビタミンC誘導体と異なり少しずつ代謝されるため、その生理的な効果を持続的に発揮する。今回の展示会では、前回の展示会よりもさらにアップグレードした、ジェル製剤の処方を紹介する。

 ブースでは原料だけでなく、長瀬産業とIBMが共同で開発した、研究開発のDX化を推進する新素材探索サービス「TABRASA」も紹介する。

 一定数のデータを学習させることで、所望の物性から分子構造の出力までを機械学習によって実現する「Analytics」と、特許や論文を自然言語処理で読み取り、キーワードと関連性を抽出して巨大な知識群を作り上げることができる「Cognitive」の2種類のアプローチにより、今までのサービスでは得ることができなかった革新的なアウトプットを得ることができるという。

 そのほか、クリーンビューティトレンドにマッチしたサステナブルなパール顔料や、環境に配慮したエモリエントの展示など、幅広い提案を行う予定だ。

 「サステナブルな原料に注目が集まる中で、当社はバイオテクノロジーの力でナチュラルな原料を提供している。当社ブースに立ち寄っていただければ、お探しの原料やソリューションをご提案することができる」(同社)
ホーム > 化粧品業界人必読!週刊粧業オンライン > 長瀬産業、エラスチンの質と量にアプローチ

ライブラリ・無料
ダウンロードコーナー

刊行物紹介

定期購読はこちら
お仕事紹介ナビ

アクセスランキング

  • 日間
  • 週間
  • 月間
PDF版 ダウンロード販売
化粧品マーケティング情報
調査レポート
株式会社矢野経済研究所
pagetop