資生堂、顔形状3次元データから表情を解析するアプリ開発

粧業日報 2021年7月30日号 1ページ

カンタンに言うと

  • 表情の変化を精緻に理解することが可能に
  • 技術の応用第1弾として「美活ジムアプリ」を展開
資生堂、顔形状3次元データから表情を解析するアプリ開発
 資生堂は、長年蓄積してきた顔や表情の研究知見とデジタル技術を組み合わせ、顔形状3次元データから表情を解析できるタブレット端末用のアプリの開発に成功した。

 顔形状3次元データを用いて目のサイズ、口角間距離、頬の高さなどを簡便かつリアルタイムに測定することで、表情や顔のパーツの形状変化を数値で表し、笑顔の度合いや手入れ効果などをどこでも簡単に、顧客自身で評価することが可能となる。

 同技術は資生堂の様々な研究に活用されるほか、横浜・みなとみらいにある研究開発拠点「資生堂グローバルイノベーションセンター」のS/PARK Studioが開催する肌と表情のトレーニングに特化した知識・技術を学ぶことのできる独自プログラム「S/PARK Studio 美活ジム」にて、顧客自身で表情の変化を確認する「美活ジムアプリ」として展開する。

 今後も、長年培ってきた研究成果と最新の技術を組み合わせながら、世界をより良くする新たな価値を創出していく。

 この研究成果は、デジタル領域の変革を加速するために2021年1月に新たに設置した「デジタルトランスフォーメーションオフィス(Digital Transformation Office; DTO)」によりもたらされた。

技術の応用第1弾として
「美活ジムアプリ」を展開

 同社は、長年にわたる顔や表情の研究の中で、様々な手法で顔形状や表情の解析を行ってきた。従来、簡便に取得可能な2次元データを用いた解析なども実施してきたが、より精査な解析を行うためには、平面的な2次元データだけではなく、頬の高さなど立体的な3次元データの活用が有効だ。

 しかし通常、顔3次元データは研究施設にある専用の機械を用いて取得し、さらには専門知識をもつ研究員による解析が必要なため、一般の顧客が自身で顔3次元形状に基づいた表情の変化を精緻に理解することは困難だった。

 そこで、顧客自身で自分の表情変化を立体的に確認する方法を提供するため、市販のタブレットに搭載されているカメラを用いて簡便に表情を解析できるアプリの開発に着手した。

 今回同社が開発したアプリでは、顔の3次元特徴点データをリアルタイムで取得し、3次元データを用いて物理的な口角間距離、目のサイズ、口角と目尻の距離、頬の高さなどをリアルタイムで計測することで顔の表情変化を数値でわかりやすく表現することができる。

 このアプリを用いて自分の表情を数値で確認することで、笑顔の度合いや手入れ効果などをどこでも簡単に、顧客自身で評価することが可能となる。

 また、従来から同社が取り組んできた2次元の顔形状データから笑顔レベルを推定し、同時に印象指標を算出する技術と、今回の3次元データから表情を解析する技術を組み合わせることで、これまで以上に個人の顔特徴を活かした見た目の印象向上につながることが期待される。

 技術の応用第1弾は、肌と表情のトレーニングに特化した知識・技術を学ぶことのできる美活ジムにて「美活ジムアプリ」として展開する。

 プログラムの前後で「美活ジムアプリ」にて測定を行うことで、顧客自身でプログラムによる顔形状・表情への効果を客観的に評価することが可能になる。

 鏡などによる定性的な評価に、こうした定量的な評価を加えることで、顧客の理解度・満足感・モチベーション向上にも貢献できるという。
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