グラセル、環境対応でも業界をリードする存在へ

C&T 2021年9月15日号 12ページ

2021年9月30日 11時00分

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 化粧品容器を取り扱うグラセル(本社:大阪)は、環境への取り組みの一環で、2019年に「グラセル エコプロジェクト」を立ち上げ、環境に配慮した容器の開発を強化するとともに、梱包などに使用する包装資材の仕様見直しなども進め、環境負荷の軽減に取り組んでいる。

 今年6月には、新社長に石塚吾朗氏が就任し、前社長の谷村敏昭氏が会長に就く新経営体制で、環境活動を加速させる。

 また、7月には化粧品・トイレタリー容器メーカーのツバキスタイルグループ(本社:東京)が環境対策の新事業として設立した㈱BEAUTYCLE(ビューティクル)(藤村太郎社長、本社:東京)への資本参加を発表し、プラスチック容器を再生利用する事業も協働でスタートする。

 ビューティクル社の会長を兼任することになった谷村会長は、「プラスチック容器の環境問題を化粧品業界の最重要かつ喫緊の課題と捉え、『グラセル エコプロジェクト』と『ビューティクル』事業の両輪であらゆる角度から対策を講じていきたい」と意気込みを語った。

 同社は、化粧品容器の金型保有数・取り扱い点数で業界トップクラスを誇る。

 「環境への取り組みにおいても化粧品容器業界をリードしていく存在になっていきたい」(谷村会長)

 ビューティクル社は、使用済みの化粧品・トイレタリーのプラスチック容器を回収し、専用のリサイクル工場で新品の容器へ生まれ変わらせる循環型リサイクルシステム「化粧品版 ボトルtoボトル」を構築し、プラスチックの使用量削減につなげ環境負荷の軽減に寄与していく。

 いわば、飲料ペットボトル容器で確立されたリサイクルシステムの化粧品・トイレタリー容器版であり、これにより容器のトレーサビリティが確保されたモノづくりが実現する。

 リサイクルプラスチックを生産する工場は佐賀県神埼市内に建設される。23年1月から開業する計画だ。

 容器のリサイクルシステムの確立では、使用済み容器の「回収」が高いハードルとされている。

 「化粧品版 ボトルtoボトル」では、ツバキスタイルとグラセルが協働で、両社の容器を採用しているメーカー・ブランドから使用済み容器を回収できる仕組みを構築し、リサイクル工場で新たな化粧品・トイレタリー容器に再生利用していく。

 谷村会長は、「『ボトルtoボトル』システムの構築には取引先の理解と協力が不可欠であり、これから賛同し協力していただける化粧品会社を募るため、PR活動を進めていく」と意気込む。

 容器の回収では、末端ユーザーである消費者と企業との関係性も影響する。

 そのため、会員制通販や宅配サービスを導入する事業者、訪販・サロン・直営店といった対面販売を主とする事業者などがスタート時の協賛企業として有力視されている。

 昨今は、化粧品を取り扱う店舗も環境への取り組みとして、リユースやリサイクルを目的に使用済み容器を回収する動きも見られ、「化粧水やシャンプーなどリピート率の高いブランドの主力製品から、『ボトルtoボトル』の導入を検討してみようという企業は増えてくるはずだ」と期待を寄せる。

 ビューティクル社は、化粧品の廃棄問題にも切り込む姿勢だ。取引先の使用期限が過ぎた在庫を回収し、新しい容器へ再生利用するサービスの導入を視野に入れている。

 「化粧品容器としてのプラスチックの特性を踏まえると、全てのプラスチック容器を環境素材に代替することは現実的ではない。使用するプラスチック量を増やさないサステナブルな循環型システムとして、業界に根づかせていきたい」(谷村会長)



「原料」「容器」「加飾」の3方向から
環境へのアプローチ、新製品の開発も

 自社で独自に推進するエコプロジェクトでは、原料調達から製品化までの流れの中で環境課題を見出し、対策を講じる。大きく、「原料」「容器」「加飾」の3つの領域から環境負荷軽減にアプローチしていく。

 「原料」では、植物由来のバイオポリ、バイオペットといったバイオマスプラやリサイクルプラ、紙など非石油系の環境素材を用いた製品開発を10年以上前から進めている。

 近年は、少量添加で焼却時のCO2を大幅に削減できる新素材「green nano(グリーンナノ)」を使った環境配慮型容器の開発を強化している。

 「グリーンナノ」は、東京理科大学発ベンチャーのアクテイブ社が開発した技術で、従来の原料に3%添加することで焼却時のCO2を約60%削減することができる。

 同社は、ダイレクトPET/PEからインジェクションPET/PP/PE/ABSなど様々な材質の容器で検証を進め、20年より「グリーンナノ容器シリーズ」の販売を本格的に開始。既に同社のグリーンナノ容器を採用した商品が市場で販売されている。

 ブランドの主力製品を中心に、リニューアルのタイミングでグリーンナノ容器への変更を検討する企業が増えているという。

 「容器」からのアプローチでは、リフィル(詰め替え・付け替え)容器、樹脂量削減容器、メール便対応容器を用いた環境対策を提案する。

 リフィル容器では、ハイブランドを中心に付け替えタイプの採用が増えはじめていることから、ラインナップの拡充を急ぐ。

 直近では、シンプルなストレートボトルでスマートなリフィル交換が可能なリフィル容器「UP&DOWNリフィル-30」(写真)を新たに開発した。サイズのバリエーションを増やし、ミドルブランドにも対応するリフィル容器として提案していく。

 メール便対応では、持ちやすさと使いやすさを兼ね備えた新製品「DMO-100」を開発した。近年は、メール便で送れるサイズに設計された商品企画も増えていることから、丸いフォルムで見た目の可愛さも訴求した。サイズ拡充も進めている。

 「加飾」では、塗料、インキの仕様を見直し、植物由来のバイオマス原料に切り替え、環境に配慮した加飾・加工を実現する。

 塗料では、バイオマス塗料に加え、揮発性有機化合物(VOC)量の削減につながる低VOC塗料(ハイソリッド塗料)を使った加飾も提案している。
 
 環境対応容器の拡充と並行して、トレンド感や差別化を意識した新型容器の開発も進めている。近年は、購入した商品や愛用品をSNSに写真や動画で紹介するユーザーが増えており、フォトジェニックな容器へのニーズが高まっている。

 そこで、加飾では、見る角度によって表情を変えるTAMAMUSHI塗装や、虹色に光るしゃぼん玉塗装、写真のような印刷もできるフルカラーPAD印刷など特殊な技術を採用している。

 出展を予定している「第2回 化粧品開発展【大阪】」(9月29日~10月1日)では、バリエーションに富んだ環境対応容器とともに新製品も発表する。

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