資生堂 宮井研究員、第88回SCCJ研究討論会で最優秀発表賞を受賞

粧業日報 2022年8月22日号 1ページ

カンタンに言うと

  • 「健やかな肌の維持に重要な角層育成の新たなメカニズム」を発表
資生堂 宮井研究員、第88回SCCJ研究討論会で最優秀発表賞を受賞
 資生堂 みらい開発研究所 宮井雅史研究員は、7月22日にオンラインで開催された第88回日本化粧品技術者会(SCCJ:The Society of Cosmetic Chemists of Japan)研究討論会にて、発表内容・プレゼンテーション・質疑応答などにおいて最も優れた発表に対して贈られる「最優秀発表賞」を受賞した。

 受賞テーマは「健やかな肌の維持に重要な角層育成の新たなメカニズム」。角層を健やかに保ち、恒常性を維持するためには、角層剥離と呼ばれる角層の更新が重要だが、角層剥離のメカニズムにはまだ明らかになっていない部分も多く、その解明に努めたことが評価された。

 具体的には、角層剥離を促進する酵素であるメソトリプシンと、その抑制因子である「SERPIN B12(別名:YUKOPIN)」を新たに同定し、メソトリプシンとYUKOPINのバランスが角層重層化(角層が適切に剥離されずに分厚くなること)に関わることを明らかにした。さらに、加齢によって生じる角層重層化が、化粧水成分の角層浸透を妨げる様子の可視化にも成功した。

 同社は50年以上にわたり角層研究に取り組み、肌を健やかに保つには、水分、天然保湿因子(NMF)、脂質のバランスが重要であることを見出し、角層の個々の成分の働きや状態を高めて角層を育成するという「コルネオ育成理論」を提唱するなど、スキンケアを進化させてきた。

 今後も、先端的な手法を開発・活用して角層研究に取り組み、個々人の肌に合わせた新たなエイジングケアの提案へつなげていく。
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