資生堂、エクトインが肌の免疫機能強化へと導く可能性を発見

粧業日報 2023年8月29日号 2ページ

カンタンに言うと

  • 肌の免疫リズムに着目し過酷環境にも揺らがない健やかな肌へ
資生堂、エクトインが肌の免疫機能強化へと導く可能性を発見
 資生堂は、抗酸化・抗炎症効果を有するホルモン「メラトニン」の肌での合成が夜間に高まること、砂漠の塩湖に生息する微生物の体内で発見された環状アミノ酸の一種「エクトイン」が肌におけるメラトニン合成酵素遺伝子の発現を促進することを発見した。

 メラトニンは脳だけではなく肌でも合成され、紫外線や活性酸素などのダメージから肌を守ることが知られており、夜間にメラトニンの合成が促進されることで、ダメージ因子と戦う「肌の免疫機能」の強化が期待できるという。

 肌を健やかで美しく保つためには、肌本来の力を引き出し、肌の生命力を高める恒常性(ホメオスタシス)を維持することが重要だ。

 そのため同社はこの肌の恒常性を維持するための1つとして、肌の免疫を司るランゲルハンス細胞が重要な役割を担っていると考え、肌への刺激や肌内部に侵入した異物、さらに肌内部で発生した肌トラブルを引き起こす因子から肌を守り、過酷な環境においても健やかな肌を守る「肌の免疫機能」に着目した研究を進めてきた。

 私たちの身体には、体内時計と呼ばれる仕組みがあり、夜になると眠り、朝には目覚めるという24時間のリズムを刻む。同社の先行研究において、睡眠を中断することで、時計遺伝子や自律神経、ホルモンなどのリズムが乱れ、皮脂分泌量や角層水分量の低下などといった肌にも悪影響が起こることを2010年に明らかにしている。

 また、肌の機能も24時間のリズムを刻んでおり、日中は皮脂分泌量が多く、夜間には皮膚バリア回復能が低下することや、ヒアルロン酸合成酵素遺伝子の発現が夜間に高まることなどを発見してきた。加えて、肌で働く免疫細胞の一種であるランゲルハンス細胞の活性が24時間のリズムを刻み、日中に防御能を上げることも見出しており、今回は肌の免疫機能をさらに発展させ、どんな時にも健やかな肌を維持できる状態を目指し、夜間に着目して研究に取り組んだ。

 研究では、メラトニン合成酵素の遺伝子発現の1日の中でのリズムに着目した。メラトニンはアミノ酸のトリプトファンを材料とし、セロトニンを経て合成される。脳で合成されるメラトニンは、睡眠の質にも関わることが知られ、その合成が夜に高まることが知られている。一方、メラトニン合成に関わる酵素は皮膚でも発現していることが知られている。今回、メラトニン合成に関わる酵素の遺伝子発現リズムを調べた結果、メラトニンの最終合成を担うASMT遺伝子の発現が、夜間に最も高まることがわかった。

 次に、肌におけるメラトニン合成酵素遺伝子の発現を高める成分を広く探索した。その結果、エクトインに肌の細胞におけるメラトニン合成酵素遺伝子発現を高める効果があることを発見した。夜間に合成が高まるメラトニンの合成が促進されることで、その抗酸化・抗炎症効果により肌がダメージ因子と戦う、肌の免疫機能の強化が期待できる。
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