花王、重量運搬ドローンの実証実験を実施

粧業日報 2023年11月10日号 3ページ

花王、重量運搬ドローンの実証実験を実施
 持続可能なサプライチェーンの構築に取り組む花王では2023年7月、兵庫県養父市との連携協定を締結し、過疎地域や山間部における物流課題の解決と効果的な物流網の構築を目指した取り組みを推進している。

 9月28日には、兵庫県養父市山間部にて、重量運搬ドローンの自動運行技術を用いた一括輸送と、自動搬送ロボットと連携した配送無人化を狙う実証実験を実施し、一定の評価と検証結果を獲得した。

 今回は、養父市協力のもと、スーパーセンタートライアル養父店から山をひとつ隔てた直線距離で約2㎞先の養父市立養父中学校中庭部分の区間にて、重量運搬が可能なドローン技術を活用し、ドローン広域供給拠点(ドローンデポ)から山間地域や過疎地域の商店までの一括供給を想定した実証実験を実施した。

 推奨最大20㎏搭載可能な大型ドローンで、約15㎏の日用品を一括輸送することに成功し、山越えにおける電波の安定性と、商品を積載したドローンの飛行安定性についても一定程度確認することができた。

 花王は、今回の実証実験で得られた知見や検証結果をもとに、様々なドローン技術の特性に合わせた実証実験を継続的に実施していく。

 11月には、岐阜県中津川市にて、ドローン1機での輸送が難しい大型荷物を、複数の編隊飛行によって改善を図る実証実験を実施する。さらに、2024年には、海上ルートを利用した長距離ドローン輸送で時間短縮と効率化に向けた実証実験も計画している。

 今後も、ドローン技術を活かした新しい効果的な物流網の構築を目指し、地域が抱える物流課題や社会受容性、経済性を踏まえながら、どのような用途やルートでドローン物流の活用が有効か、検討を進めていく。
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