【週刊粧業2014年1月13日号5面にて掲載】

 皆さん。あけましておめでとうございます。今年も宜しくお願い致します。

 今日はM&A時の買収価格の算定手法についてお話したいと思います。買収時には外部の専門家を利用の上で事業や資産等の査定を行った上で最終的な買収額を合意することが一般的ですが、売主と買主が相互に合意するためにも、ある程度客観性のある、定型的な手法が用いられる事になります。今回は、よく使われる3つの手法についてご紹介したいと思います。

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1.インカム・アプローチ

 買収対象企業の将来の収益力を根拠とした買収価格の算定手法がインカム・アプローチです。買収交渉過程で行われるデューデリジェンス等を通じて評価された将来の事業計画をベースに、将来買収対象会社が生み出すであろう数年分のキャッシュフローを現在の価値にしたらいくらになるか、というアプローチで算定される価格です。

2.マーケット・アプローチ

 他の有名な買収事例などを参考にした買収価格の算定手法がマーケット・アプローチです。当然M&Aは上場企業・非上場企業関わらず日々行われていますが、規模や業種が類似した有名な上場企業等での事例を参考にした上で買収価格を算定するというアプローチになります。

 例えば、カウンセリング化粧品なのか、通販化粧品なのかというように、類似の事例を探す必要はありますが、仮に類似の事例があるのであれば買収価格としては非常に参考になる指標となります。

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田中計士

新日本有限責任監査法人 シニアマネージャー

2000年、監査法人太田昭和センチュリー(現新日本有限責任監査法人)に入所後、化粧品、食品、宝飾品などの消費者製品メーカーを中心とした監査業務に従事。その他、株式公開支援業務、内部統制アドバイザリー、デューデリジェンス、経理財務専門誌への寄稿等、幅広い業務を行う。

http://www.shinnihon.or.jp/corporate-accounting/industries/basic/cosmetics-and-toiletries/

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