第43回 業界各社のROEから見る利益獲得構造

【週刊粧業2015年11月9日号12面にて掲載】

 公認会計士の五藤です。今回より以前の連載テーマ「公認会計士から見た化粧品・トイレタリー業界」に戻し、会計という視点から皆様のお役に立てる情報を提供していければと思っています。

 今回は自己資本利益率(以下、ROE)について取り上げたいと思います。ROEとはReturn on Equityの略で、投資家から集めた資本に対してどれだけの利益を獲得できたかを示す指標です。この数値が高いほど、投資家から投資された資本を効率的に活用して利益を獲得したことを示します。

 ROEは次の計算式で算定されます。ここで言う自己資本とは、純資産の金額から非支配株主持分及び新株予約権を除いたもので、支配株主に帰属する持分のことです。また、このROEは次のように分解することができます。

 売上高純利益率は収益性、総資産回転率は売上獲得の効率性、財務レバレッジは負債の有効利用の程度をそれぞれ示しています。このように分解することで、ROEがどのような要因から発生しているのかを読み取ることができます。

 ここで、業界各社のROEを見てみましょう。今回対象としたのは、業界の主要企業である花王、資生堂、コーセー、ポーラ・オルビスHD、ライオンの5社です。なお、ROEは期末に公表される有価証券報告書における開示事項となっており、各社の有価証券報告書で確認することができます。(表1


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田中計士

新日本有限責任監査法人 シニアマネージャー

2000年、監査法人太田昭和センチュリー(現新日本有限責任監査法人)に入所後、化粧品、食品、宝飾品などの消費者製品メーカーを中心とした監査業務に従事。その他、株式公開支援業務、内部統制アドバイザリー、デューデリジェンス、経理財務専門誌への寄稿等、幅広い業務を行う。

http://www.shinnihon.or.jp/corporate-accounting/industries/basic/cosmetics-and-toiletries/

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