第18回 化粧品・日用品業界ならではの商標出願テクニック

【週刊粧業2017年2月20日号11面にて掲載】

 商標弁理士という仕事柄、時折「この業界特有の出願テクニックはありますか」などと聞かれることがあります。実際、業界ごとにビジネスの性質・お客様の層などに一定の傾向があり、日々の経験を通してそれが出願テクニックに反映される面はございます。そこで、今回は化粧品・日用品業界における商標出願のテクニックの一部をお伝えいたします。

 まずは、ストック商標戦略について紹介します。化粧品・日用品業界は共に流行の波が激しく、1年前には日の目を見ていなかった言葉が爆発的にヒットし、さらに1年後にはほぼ消えているといったことは日常茶飯事です。

 このような状況下で、商品や言葉がヒットしてから出願するといった後手にまわる対応をしていたら他社との出願・マーケティング競争に勝つことができません。そこで、流行の兆しが見えるワードについてはなるべく早期に出願してストックしておき、いざヒットした場合に流行の恩恵を最大限享受する戦略が採られています。

 次に、意外と見落としがちな登録料の分割納付制度について紹介します。商標の登録料は、基本となる10年一括納付のほかに5年分割納付を選択することができます。

 前者に比べ後者はトータルコストとしては割高ですが、登録後5年経過以降使う見込みのないような旬の期間が短い商標、登録時点では成功可能性についての見通しがつかない商標などについては検討の価値がある制度です。

 ただし、昨年の商標登録料の値下げにより、特に一区分のみの指定の場合などは本制度利用のメリットが薄れたように思います。なお、これは登録時だけでなく、更新登録申請に際しての登録料納付時にも使えるテクニックです。

続きを読むには無料会員登録が必要です

  • PC、スマホからいつでも
  • WEBでかんたん記事検索
  • 化粧品業界の優良記事を
    お届け
この記事のお問い合わせはこちら

髙橋 伸也

フルブルーム国際商標事務所 所長弁理士

早稲田大学政治経済学部卒業。日本でも数少ない商標専門事務所を経営。化粧品・日用品業界をはじめとした中小・ベンチャー企業の商標出願支援と外国・国際商標出願支援を得意としている。商標・ブランディングの専門家として数々のメディアに寄稿している。

http://www.fullbloom-tm.jp/

一覧に戻る
ホーム > 連載コラム > 第18回 化粧品・日用品業界ならではの商標出願テクニック

ライブラリ・無料
ダウンロードコーナー

刊行物紹介

定期購読はこちら
お仕事紹介ナビ

アクセスランキング

  • 日間
  • 週間
  • 月間
PDF版 ダウンロード販売
化粧品マーケティング情報
調査レポート
株式会社矢野経済研究所
pagetop