第20回 商標権侵害の警告書を受け取ったときの対処法

【週刊粧業2017年4月24日号12面にて掲載】

 ある日突然、内容証明郵便で警告書が届き、自社の人気商品について商標の使用を止めるよう要求されたらどうしますか?

 警告書の話はなかなか表に出てこないので自社とは縁遠いと感じている企業様も多いかもしれません。しかし、商標権者としては自社のブランドを守るべく少なからぬ費用をかけて権利を取得していますので、侵害者を発見した以上は使用を止めさせたいと思うのが人情であり、企業としての合理的な判断です。実際に商標を専門とする弊所には、読者の皆様の想像を超える数の侵害がらみの相談が舞い込んでおります。

 そこで、今回は商標権侵害の警告書を受け取ったときの対処のポイントをお伝えしたいと思います。

まずは、警告書に記載されている商標権が実際に存在し、警告書の送付主が商標権者又はその代理人であるか否かを確認する必要があります。実際には存続期間満了で消滅していたとか、まったく関係のない第三者が商標権者を装って送付してくることも考えられますので大事なプロセスです。具体的には、特許庁の商標登録原簿と照らし合わせることとなります。

 次に、実際に権利侵害を構成しているかどうかを確認する必要があります。権利意識の強い外国企業などは、日本の実務からすれば明らかに商標が似ていないような場合でも警告書を送ってくるケースがございます。また、商標は同一又は類似でも、その商標権についての指定商品と貴社が使用している商品が同一又は類似でなければ侵害にはなりません。

 このあたりの類似・非類似の判断は、画一的な判断というよりはケースバイケースの要素が強く専門性が強いので、商標専門の弁理士又は弁護士に検討を依頼するのが定石です。

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髙橋 伸也

フルブルーム国際商標事務所 所長弁理士

早稲田大学政治経済学部卒業。日本でも数少ない商標専門事務所を経営。化粧品・日用品業界をはじめとした中小・ベンチャー企業の商標出願支援と外国・国際商標出願支援を得意としている。商標・ブランディングの専門家として数々のメディアに寄稿している。

http://www.fullbloom-tm.jp/

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