第19回 絆作りの勉強会

【週刊粧業2014年8月25日号4面にて掲載】

 最近では、『化粧品の使い方勉強会』という取り組みを積極的に実施している化粧品通販企業が増えています。一度に15名程のお客様を集めて、自社が取り扱っている化粧品の正しい使い方などを直接伝えていくという取り組みです。

 販売手段は通販であっても、お客様とのコミュニケーション手段は、必ずしも非対面であり続けることはなく、こうしてお客様と直接会うことで、親しみを感じてもらうことができ、より深い関係性づくりに役立っています。

 ある化粧品通販会社では、全国で年に何回か、このような化粧品の使い方勉強会を開催しています。各地に赴き、一度に会える人数はわずか15名程度。広告のように一度で多くの人に訴求できるような取り組みと比べると、正直とても大変で地味な取り組みです。しかし、勉強会に参加した人は、その後、自社にとっての優良顧客に育っていく傾向があることが分かり、手間暇はかかりますが、それに見合う十分な価値を感じ、継続した取り組みとしています。

 また、このような勉強会をやって気づいたことは、多くのお客様は、企業側が推奨する使い方ではなく、自己流の使い方をしているということです。勉強会を行うことで正しい使い方、お客様自身に合った使い方を知ってもう事ができ、お客様が期待していた効果を感じることにもつながっています。また、正しい量を使ってもらうことで、商品余りの解消にもつながり、リピート購入促進にもなっています。

 このようなお客様と直接会う『勉強会』は、様々な業界でも行われています。例えば、ある大手コーヒーショップでは、有料で2時間程の時間を使って、『おいしいコーヒーのいれ方』や『食べ合わせ』などを伝える勉強会を行っています。この取り組みによって、普段はコーヒー1杯しか注文しないようなお客様が、一緒にコーヒー豆を買うようになったという例もあるようです。

 ワインショップなどでも、週末にワインセミナーを開催することで、安売りなどのセールをするよりも、来店促進につながると共に、学んだことで、試しに飲んでみようというお客様も増え、購入へと結びついています。

 モノを売ることばかりに目を向けていると、価格を安くするとか小手先の手段ばかりが浮かびます。しかし、お客様との対話を通して、商品を知ってもらい、会社を知ってもらうことで深い関係性が作られ、お客様との絆も深まっていきます。

 このような、お客様と直接コミュニケーションを持つような場を取り入れてみてはいかがでしょうか?
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船生千紗子

(株)通販総研 化粧品専門コンサルタント

通販に特化した広告代理店を経て、株式会社通販総研に入社。現在、化粧品通販新規参入支援、化粧品通販企業向けに新規顧客獲得、リピート顧客育成による売上アップ支援を行っています。クライアントの強みを伸ばし、着実な成長を促すことをモットーにしています。

https://www.tsuhan-soken.com/

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