第23回 仮説と検証の積み重ねが大切

【週刊粧業2015年1月26日号5面にて掲載】

 通販事業をおこなう上で、『仮説』の構築とその『検証』が何よりも重要です。

 うまくいっている会社は、取り組みに対して、必ず『仮説』と『検証』を行い、その結果を蓄積しさらに活用することで、自社独自のノウハウや仕組みへと築きあげています。

 広告を出稿するとき、顧客フォローを行うとき等、常に仮説を立て、その結果を検証していきます。ただ、やみくもに取り組むのとは違い、検証によって出て来た事実を把握することで、同じ失敗を繰り返す可能性も減り、また、次の施策へと役立てて行くことができます。

 『仮説』と『検証』というと、何か難しく、特別な事であると捉えがちですが、実際は、普段無意識のうちに私たちは仮説と検証を行っています。

 簡単に言うと、仮説と検証とは、『きっと、○○であろう』と考えた事柄が本当に正しいかどうかを確認する作業の事です。

 例えば、広告であれば、予め設定したターゲット層が購入をしているのか? 広告のどの部分に興味を引いたのかなどを受注時にヒアリングするなどして事実の確認を行います。出て来た回答が、仮説と異なっていれば、修正して次の広告作りに反映をしていきます。

 ある化粧品通販企業A社は、広告出稿の際、本品を直接販売する1ステップ方式と、お試し品を入口に販売する2ステップ方式では、後者の方が最終的に本商品を購入する人が多いであろうと仮説を立てました。実際、検証をしたところ、広告の反応は大きな差は生まれませんでしたが、1ステップ方式の方が広告費の回収が早いとわかり、1ステップ方式を採用する事にしました。

 通販企業B社は、どの商品を購入しても同じ内容の1種類のフォローメールを購入者に送っていました。そこで、購入商品毎にフォローメールの内容、タイミングを変えるなど細分化することで、反応率が高くなるのではないかと仮説を立てました。結果、仮説通り、細分化した方が反応率が高くなり、売上アップに貢献をしました。

 このように、普段、自分たちが考えていた事が、本当に正しいかどうかを確認することで、新たな気づきを生み、自社にとって最も適した施策へと築きあげて行くことができます。他社の取り組みを学ぶことも大切ですが、一番重要なことは、自社で『仮説』を構築し、その『検証』に基づき、独自の取り組みへと発展させていくことなのです。
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船生千紗子

(株)通販総研 化粧品専門コンサルタント

通販に特化した広告代理店を経て、株式会社通販総研に入社。現在、化粧品通販新規参入支援、化粧品通販企業向けに新規顧客獲得、リピート顧客育成による売上アップ支援を行っています。クライアントの強みを伸ばし、着実な成長を促すことをモットーにしています。

https://www.tsuhan-soken.com/

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