【週刊粧業2020年3月23日号5面にて掲載】
EC・通販事業では、広告代理店、コールセンター等、外部パートナーを活用する機会が多くありますが、選び方次第で、事業成功に大きな影響を及ぼします。昔と比べると、通販事業に携わる外部パートナー企業も多くなり、選択範囲が、広がっていることはメリットではありますが、その分、しっかりと基準を持って選ぶことが大切です。
大手企業だから、コストが安いから、何でもやってくれそうだから、というような安易な基準で決めると、後々苦労することになります。どのような基準で選べば良いかというと、具体的には、専門性が高いか、親身になってくれるか、コスト面が適切か、通販事業への理解があるか、といった点を確認すると良いでしょう。
時々あるのが、「何でもできます」という営業トークです。何でもできると聞くと、聞こえは良いのですが、何かに特化したノウハウ、経験がなく、専門性が低いと考えられます。何が得意なのか、どのような経験を積んでいるのかは、最低限確認する必要があります。
化粧品通販企業A社は、事業立ち上げの際に、社内に知見がないため、通販経験を売りにしているあるコールセンターを選びました。当初は相手を信頼し、提案に従っていたのですが、結果として、コスト高になってしまいました。
改善の要望を出してもコールセンター側の効率ばかり優先されてしまい具現化せず、通販会社側がもつべき主導権を握られてしまい、コストばかりがかかるという結果がしばらくの間続いてしまいました。
化粧品通販企業B社は、バラエティショップ等への卸をメインとする企業で、その傍ら、通販事業を行っています。これまでは、社員が営業の合間に注文電話を取っていましたが、広告を始めるタイミングでコールセンターを外部に設けることとしました。
初めてのことで、コストはどのくらいかかるのか? どの程度の回線を引いたらよいのか? などわからないことばかりでしたが、コールセンターの担当者が、通販事業に詳しく、B社の状況に理解を示し、規模に合った適切な提案を行ってくれたました。その結果、コストを抑えながらも質のよい良いコールセンターの立ち上げを行うことができました。
通販企業C社は、事業立ち上げの際に、熱心に情報収集を行い、勉強をしたため、本業でお付き合いのある広告代理店ではなく、通販経験の豊富な広告代理店と付き合うことができました。
C社としては、レスポンス広告を行うこと自体が初めてでしたが、媒体選定、クリエイティブテストの方法など適切なアドバイスのおかげで、無駄に広告予算を費やすことなく、事業をスタートすることができました。
通販事業を成功させるためには、外部パートナー企業の協力は欠かせません。そのため、通販事業側もしっかりと情報収集や勉強を行い、選ぶ基準をしっかり持っておくことが大切です。