【週刊粧業2020年5月18日号13面にて掲載】
通販事業を行っていると、日々さまざまな課題に突き当たります。そのような課題を解決するためには、日頃から社員が活発に意見を出し合えるような環境づくりが大切です。
通販事業A社では、全社員を集めた社員研修を行っています。その時に意識しているのが、情報のインプットで終わらせずに、必ずアウトプットができるようにワークショップの時間を設けることです。
研修での気づきや○○をやってみようという熱い気持ちも、時間とともに忘れさられてしまうものですが、意見を述べたり、アイディアを出したりといったアウトプットを行うことで、意識に残りやすくなります。
さらに、人の意見を聞くことで思考が進み、1人で黙々と考えていた以上のアイディアが浮かび、課題解決に向けた速やかな実行へつなげることができます。
通販事業B社も同様に社員研修を行い、意見を出し合う時間を設けています。B社の経営者は、社員は課題解決に向けた意見を持っていないと考えていましたが、実際に、意見を出し合う時間を作ると多くの意見が飛び出してきました。意見や考えをもっていないのではなく業務時間の中で、意見を出し合えるような時間や環境がなかっただけだったのです。
このようなワークショップの場は、4~5人のグループを作り全員が意見を出し合えるような状態を作ることが大切です。また、人と違った意見を言わなくてはと考えずに、同じ意見でも積極的に発表することで、互いの意見に触発され、さらに良いアイディアへと思考を進めていくことを可能とします。
避けたいのが、人のアイディアを否定することや、『昔やったけど上手く行かなった』という後ろ向きの意見で終わらせないことです。昔、上手く行かなった理由を前向きに考え、成果を出すためにはどうしたら良いと思うかと一歩踏み出して考えていくことで建設的な意見交換へと発展させていけます。
また、通販会社C社は、こうした方が良いというような『気づき』を紙に書き、皆が見えるよう壁などに掲載しています。掲載された意見を良いと感じた人は、票を入れ、一番多く集まった意見を中心に改善や実行に取り組むようにしています。
会議等のような人前で意見を発表しにくい社員でも、このような方法であれば、自分の意見を発表することができ、数多くのアイディアが生み出すことにつながっています。
通販会社D社は、広告を作る時に、ラフ案を手掛ける前に、キャッチコピー、キャッチコピーを補完するような写真と、広告全体のストーリーの方向性を書いた企画書を作り、皆に意見を求めています。こうすることで、広告要素の不足部分が鮮明になったり、ストーリーの方向性が早い段階で明確になったりして、広告内容に厚みを出すことにつながっています。
日頃から社員の意見をいかに引き出せるかが、課題の発見、課題解決のアイディア出しや実行につながっていきますので、そのような場つくりを心がけてみてはいかがでしょうか?