【週刊粧業2020年12月14日号5面にて掲載】
紙広告やテレビ広告などオフラインの広告を使って新規を獲得している企業にとって受電時の定期誘導は、とても重要な取り組みです。特に近年、各社広告効率が悪くなっていることもあり、早い段階での顧客の囲い込みによるLTVの向上を目指しています。
受電時定期引上げを行う際のポイントは、
①継続して使うことの重要性を伝える
②定期で買う事のお得感や便利さを分かりやすく伝える
③定期購入への不安を取り除く
④必ず定期のご案内をする
⑤トークスクリプトの見直しをこまめに行い、オペレーター教育に務める。
⑥定期であるか否かを曖昧にした定期誘導は、その後の解約と信頼低下につながるので、無理な定期誘導は行わない。が挙げられます。
定期誘導率が高い企業は、上記のポイントをしっかり押さえながら試行錯誤を地道にスピーディに繰り返しています。
なかなか成果を上げられていない企業は、数字の責任をコールセンター側に押し付け、改善のための取り組みを自分事として一緒に行っていない傾向が見受けられます。
化粧品通販会社A社は、受電時定期誘導率は、もともと20%以下と低い数字でした。しかし、広告をみて興味をもって電話をかけてくれた時こそ、必要性をわかりやすく伝えるチャンスと考え、定期誘導に力を入れることとしました。
毎月、全てではないですが、必ず通話録音を聞くこととしました。通話録音から、誰のどのような説明がお客様に商品理解を促す説明かを確認していきます。
さらに、説明が長すぎないか? 一方的な説明になっていないか? なども同時に洗い出していきます。
良いと感じた点は、トークスクリプトに積極採用し、説明が長すぎ一方的と感じられる点には、修正を加えるといったことを、半年程繰り返し行っていきました。その結果、当初の数字の3倍近い定期誘導率に到達することができました。
化粧品通販会社B社は、商品の説明をトークスクリプトに頼らず自分事として伝える事ができるようにしたいと考えていました。
そこで、コールセンターの担当オペレーターに定期的に商品を送り、継続して商品を使ってもらうこととしました。さらに、コールセンターに年数回は訪問し、オペレーター向けの商品勉強会を行うようにもしました。
自分の体験談を交えながら商品説明をすることで、以前よりも自信をもって、お客様と対話することができるようになりました。結果、定期誘導率は高い水準を維持しています。
化粧品通販会社C社は、定期的にお客様から頂くお喜びの声をコールセンター側に共有し、顧客イメージづくりに役立てています。
どんなお悩みを持って商品購入に至ったかを具体的に想像することで、どのような説明が必要か? 抱えているであろう疑問に対する回答の準備を整えた上で、対話に臨む事ができるためです。
成果を出すために、コールセンター側に丸投げをせずに、積極的に関わり、トークスクリプト、オファー、Q&Aの見直しを繰り替えし行っていくことが不可欠です。
受電時に引上げに取り組んでいる会社は振り返りの際に、是非、この要素を確認してみてください。